ルノー・日産が描くコネクテッドの近未来を公表 2022年には9割が対応

「アンドロイドオート」などグーグルサービスがスマホ不要で使える

アンドロイド経由で第三者が作成した多様な車載用アプリも

「カーウイングス」はどうなる?

インフォテイメントのOSにアンドロイドを採用すると説k瞑するルノー・日産連合のカル・モス副社長
インフォテイメントのOSにアンドロイドを採用すると説k瞑するルノー・日産連合のカル・モス副社長全 9 枚

「アンドロイドオート」などグーグルサービスがスマホ不要で使える

日産自動車は10月19日、ルノー・日産・三菱自動車のアライアンスにまたがるコネクテッドカー戦略を公表した。2022年にも主要国で販売される新車の9割をインターネットに接続できるコネクテッドカーにする。ルノー・日産連合のカル・モス副社長が日産本社で会見した。

日産は今年(2018年)9月、グーグルとOSで提携したが、この日の会見でモス氏は「自動車会社とグーグルの双方で発展的なサービスを同時に提供できるようになる」と提携の意義を強調。21年からグーグルの基本ソフト「アンドロイド」を順次新型車に搭載し始め、「22年には90%をコネクテッド化する」(モス氏)とした。

その核にアンドロイドを搭載することで、グーグルが車載統合ソフトウェアとして提供している「アンドロイドオート」や、グーグルホーム等のサービスをスマートフォンとの接続なしで利用可能にもなる。さらに、車種やカーナビゲーションに縛られることなく、アンドロイド経由で第三者が作成した多様な車載用アプリも取り入れられるのだ。

アンドロイド経由で第三者が作成した多様な車載用アプリも

アンドロイド導入で生まれるメリットとしてモス氏は、「顧客側がサービスを選べる新たな体験が可能になる」との考えを示した。その背景にあるのが、利用者へ提供されているサービスは「スマホの方がクルマよりも先行しているから」だという。

一方で、グーグルと提携することで主導権を奪われるのではないかとの質問に、「範囲は車両本体でなく、情報・娯楽の提供(インフォテイメント)に限る」(モス氏)としており、車両の制御に必要なデータとは切り離す考えのようだ。

22年には年産1400万台を世に送り出す計画を持つ巨大アライアンスにとってコストも重要な要素だ。アライアンス全体でOSを統一していくことで、開発コストは大幅に下がるのは確実で、開発スピードも上がっていくだろう。ユーザーにとっても、スマートフォンで使っていたアプリが車載でも使えるなどのメリットが生まれるはずだ。

ただ、グーグルが他の企業に対しても同じOSを提供する可能性もあり、そうなると現在のスマートフォンのように、UIやアプリぐらいしか違いは見出せなくなることも否定できない。

さらに、現状、中国ではグーグルが使えないことも大きな問題として残る。巨大市場である中国で使えないことは痛手のはずだ。モス氏によれば、その状況を踏まえた上で、「中国には多くのベンダーが存在しており、中国のみがそれを活用することになる。現在、その評価を進めているところだ」と語り、グローバルで展開するOSとは切り離して独自のサービスを提供するという。

「カーウイングス」はどうなる?

また、現在提供中の「カーウイングス」はどうなっていくのかとの質問にモス氏は、「OSを選ぶのはユーザーであり、カーウイングスを排除することも考えてはいない。現状で(共存するかどうか)その部分は何も決まっていない」とした。現在のCarPlayやアンドロイドオートのように切り分けて使っていくのかもしれないし、あるいはカーウイングスがアンドロイドの一つのアプリとして提供されていく可能性もある。

配付された資料によれば、モス氏は今年3月にルノー・日産・三菱自動車のアライアンスに加わったが、前職はメルセデスベンツでAIやデジタル車両開発を担当。昨日、日本でも華々しいデビューを飾ったMBUXの開発を主導した立場であった。その後、ルノー・日産・三菱自動車のアライアンスは、コネクテッド分野でグーグルとの提携を9月18日に発表。その立役者がモス氏だったのだ。

今回の発表により、ルノー・日産・三菱自動車のアライアンスでは、ナビゲーションシステムのグーグルによるコネクテッド化が急速に進むことが鮮明になった。

《会田肇》

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