燃費や機動力が違うエアロネクストのドローン、経済産業大臣賞を受賞した技術…CEATEC 2018

エアロネクストのドローン「NEXT VR」
エアロネクストのドローン「NEXT VR」全 3 枚

現在さまざまなところで使われ始めたドローン。その市場も大きく拡大している。そんななか、エアロネクスト(本社・東京都渋谷区)はこれまでの概念を打ち破るドローンを開発し、「CEATEC AWARD 2018」の経済産業大臣賞を受賞した。

同社は2017年4月に設立されたベンチャー企業で、その前身は「0(ゼロ)」という会社で、2008年から山梨県で風船を飛ばして撮影などを行う仕事をしていた。主に建設業者向けに超ハイエンドな撮影を行っていたという。

そんな会社がドローンに目をつけ、これまでにないものを開発しようとなった。「それまでのドローンには風に弱い、安全性に欠ける、飛行時間が短い、速度が遅いなどいくつかの弱点があり、それをソフトウェア制御で解決しようとしてきました。しかし、ソフトウェアをいくら開発しても、ハードウェアを良くしなければ弱点をそもそも解決できないと考えたのです」と同社関係者は説明する。

そして生まれたのが『NEXT VR』というドローンだ。そのドローンはこれまでのドローンと見た目が大きく違う。中央に背骨のような棒が1mぐらい伸びているのだ。同社関係者によると、搭載部と飛行部を接続する貫通ジンバル構造による独自の重心制御技術「4D Gravity」によって、飛行部の傾きなどの動作や姿勢が搭載部に影響しないようになっているという。

そのドローンの下に物をつけて運ぶ際、どんな飛び方をしても物はほとんど動くことがないのだ。例えば、ラーメンの丼をつけて運んでも、汁がこぼれないわけだ。「燃費と機動力の双方が向上するとともに、部品のストレスが減少し機体としての信頼性も向上し、さらに耐風性能もアップして墜落リスクも軽減できます」と同社関係者は説明する。

そのほか、ドローンがこれまでできなかったこともできるそうだ。例えば、ドローンが中央の棒を自由自在に上下でき、搭載部と飛行部を分離することも可能。また上下2連結で飛ばすこともできる。

こうしたことが評価されて、経済産業大臣賞を受賞したわけだが、これまでにもドローン関連の賞を数々受賞してきた。「今回のCEATECでも、多くの来場者がブースに来ましたが、小さなブースだったので驚いた人もいました」と同社関係者は笑う。

同社は今後、このドローンを販売するよりも技術を売っていくことを中心にビジネスを展開していく計画だ。すでに海外から多くの引き合いがきているそうだ。

《山田清志》

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