トイレで動けなくなった人や忘れ物を早期発見、アウトラインセンサーをNEXCO中日本が開発

アウトラインセンサーの概要
アウトラインセンサーの概要全 3 枚

NEXCO中日本グループの中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋は10月24日、木村技研と共同で、トイレで急病などで動けなくなった人や忘れ物を早期発見するためのアウトラインセンサーを開発したと発表した。

サービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)のトイレ個室内で動けなくなってしまった場合、周囲の人やエリアキャストが発見するまでに相応の時間を経過してしまう場合がある。また、SA・PAでエリア・コンシェルジュに寄せられる落し物についての問い合わせ件数は年間2万件を超えており、トイレの個室での忘れ物も後を絶たない。

開発品は、天井に設置したセンサーが人や物の動きをシルエットで検知し、アウトライン(輪郭)により、前後の差を推定し、「倒れ込み」や「忘れ物」を早期発見するというもの。推定にAI分析を採用することで、読み取り精度の向上が見込めるほか、カメラのように画像を撮影する必要がないためプライバシーの確保もできる。アウトラインセンサーは、個室ドアの開閉信号と連動して、入室後に一定時間が経過しても人の動作にまったく変化がなければ「倒れ込み」と判定。また、退室後に一定の大きさ(10cm×5cm程度)の物が残っている場合は、瞬時に「忘れ物」と判定する。

これまで、「倒れ込み」や「忘れ物」それぞれを発見できるセンサーの開発は行われてきたが、本技術は1つのセンサーで両方を発見可能。また、検知に必要な明るさを確保するためのLED照明や忘れ物などを知らせるスピーカー、黄色LED照明を一体化している。

NEXCO中日本グループでは、2018年6月より、センサーを東海環状自動車道 鞍ヶ池PA(内回り)の男子トイレ2か所に設置。忘れ物は漏れなく発見することが確認できたものの、トイレットペーパーのカスなど、本来検知しなくてもよい物まで検知してしまうなどの課題もあり、AI分析のさらなる精度向上を図っている。今後は、鞍ヶ池PAでの試行検証を引き続き行うとともに、検知した内容を伝えるための専用モニターや音声案内装置などの開発を今年度中に終える予定。来年度から、忘れ物が多いSA・PAなどへ随時導入する計画だ。

《纐纈敏也@DAYS》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  2. メルセデスベンツの万能車『ウニモグ』がキャンピングカーに! 数日間の自給自足が可能
  3. アルファロメオの新型コンパクトSUV『ジュニア』日本発売、ハイブリッド車が420万円から
  4. メルセデスの名車「190E エボ2」が復刻! 限定100台の「HWA EVO」にハンコック純正装着
  5. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る