パナソニック津賀社長「あえて未完成品を世の中に出していく」

基調講演を行う津賀一宏社長
基調講演を行う津賀一宏社長全 1 枚

パナソニックの津賀一宏社長は10月30日、創業100周年を記念したイベント「クロスバリューイノベーションフォーラム2018」で基調講演を行った。テーマは「次の100年の『くらし』をつくる~パナソニックは家電の会社から、何の会社になるのか~」だ。

社長に就任して6年が経過する津賀社長は、ここしばらくの間「パナソニックとは何者なのか」と自問自答してきたそうだ。というのも、今のパナソニックは車載関連の事業が拡大し、他社向けの工場ソリューションを提供するなど、さまざまな事業を展開しているからだ。もう家電という言葉が当てはまらなくなり、何の会社だか分からなくなってしまったからだ。

2017年度の決算を見ても、家電事業を担当するアプライアンス社の売上高は全体の3割を切っている状況だ。「私が100周年というタイミングで自問自答に陥ったのは決して偶然でないと思う。かなり悩んだが、今は自問自答のトンネルを完全に抜けることができた」と津賀社長。

そして導き出した答えが、パナソニックは“くらしアップデート業”を行う会社であるということ。「これまでは生活者をマスとして捉え、より機能性を高め、より上級なものを提供するという“アップグレード”を競い合ってきた。しかし、テクノロジーの進化とサプライヤーの革新で、多様性が重視される時代に入ってきた。一人ひとりにおいても、今日に求める価値観と明日に求める価値観が異なり、それに向けて更新続ける時代がやってきている。だからこそ、日を追うごとに向上させるために更新する“アップデート”でなくてはならない」と強調する。

そこで、発売する商品についても「あえて未完成品を世の中に出す」という。しかし、それは不良品を出すということではない。使っている人向けに成長する余白を持たせた状態の商品を出すということだ。そして、その商品は使う人にカスタムされ続け、更新され続けていく。その結果、使う人にとって最適な商品になっていくというわけだ。

「みなさんを失望させることがないように、パナソニックは常に前進していく。パナソニックは微力であるが、何かしらの価値を提供できる会社であると私は感じている。人々がくらす社会をみんなでより良くしてきましょう」と津賀社長は力説した。

《山田清志》

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