マクラーレン セナ にサーキット専用車「GTR」…110万ポンドで75台が完売

『セナ』をベースに開発されるサーキット専用車

最高出力825ps、最大トルク81.6kgm

サーキットに特化したエアロダイナミクス

GT3カスタマーレーシングプログラムから

マクラーレン・セナ GTR のデザインスケッチ
マクラーレン・セナ GTR のデザインスケッチ全 9 枚

『セナ』をベースに開発されるサーキット専用車

マクラーレンオートモーティブは11月2日、マクラーレン『セナGTR』(McLaren Senna GTR)のスペックを発表した。

セナGTR はF1ドライバー、故アイルトン・セナの名前を冠したスーパーカー、マクラーレン『セナ』をベースに開発されるサーキット専用車となる。2018年春、スイスで開催されたジュネーブモーターショー2018において、コンセプトカーの『セナGTRコンセプト』が発表されていた。セナGTRは2019年9月から、世界限定75台の納車を開始する予定で、価格は110万ポンド(約1億6000万円)だが、75台はすでに完売している。

最高出力825ps、最大トルク81.6kgm

セナGTRでは、軽量かつ高剛性なカーボンファイバー製のモノケージを、ロードカーと共用する。そのミッドシップには、4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載しており、サーキットでのさらなるパフォーマンスを目指して強化される。最高出力はロードカーの800psから825psへ、25ps引き上げられた。最大トルクは81.6kgmに据え置かれる。車両重量は現時点では公表されていないが、マクラーレンオートモーティブによると、パワーウェイトレシオはロードカーを上回るという。

サーキットに特化したエアロダイナミクス

セナGTRではロードカーに対して、サーキットに特化したエアロダイナミクス性能を追求する。カーボンファイバー製のボディは、フェンダーをよりワイド化。フロントスポイラーは、ロードカーに比べて大型化され、リアのディフューザーも大きく長くなり、より後ろまで伸ばされた。リアデッキは、マクラーレン車の中で最も低い位置にあり、エアロダイナミクス性能とクーリング機能を向上させる。アクティブリアウィングの性能も最適化した。ウィングをディフューザーからのエアフローに合わせることで、空力効率を向上させ、低速時により大きく、よりアクセス性の高いダウンフォースを追求する。これらの変更により、最大1000kgのダウンフォースを獲得している。

また、ヨーイングにおいて最適化されたエアロダイナミクス性能が、より安定したコーナリングを可能にする。また、その一方でピッチングの感度を低く抑えることにより、ブレーキの安定性を向上させているという。

GT3カスタマーレーシングプログラムから

さらに、セナGTRでは、マクラーレンのGT3カスタマーレーシングプログラム用に作られたシステムをベースに開発されたスプリング、ダンパー、アンチロールバーを搭載する。サスペンションはダブルウィッシュボーンとした。ロードカーにも導入されたピレリ製レーシングスリックタイヤは、3Gを超える重力加速度に対応するとともに、最大減速度を20%上昇させるという。

インテリアには、エアバッグやインフォテインメント・セントラルスクリーン、折り畳み式のドライバー用ディスプレイは装備されない。その一方で、ギアシフトコントロールが組み込まれた、新開発のレース用ステアリングホイールが、装着される。この他、エアコンとレーダーアシストの追突回避システムが標準装備される。

マクラーレンオートモーティブでは、セナGTRの開発プロトタイプ車両の走行テストを、2018年11月から開始する。マクラーレンオートモーティブは、セナGTRのデザインスケッチを1点公開しており、フロントとリアともに、より広いトレッドとセンターロックホイールを持つシャシーをベースとしたものになる予定、としている。

《森脇稔》

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