【ベントレー コンチネンタルGT 新型試乗】距離を伸ばすほどカラダに馴染む、これがベントレー…九島辰也

センセーショナルなデビューを飾った初代

すべてが新世代となった3代目

すべてにおいて絶妙なセッティング

ベントレー コンチネンタルGT 新型
ベントレー コンチネンタルGT 新型全 24 枚

センセーショナルなデビューを飾った初代

今年ベントレーはモデルローンチが多く、この『コンチネンタルGT』の他には『ベンテイガV8』がある。それを鑑みると日本での販売台数が2006年に築いた500台オーバーを上回るのも時間の問題だろう。

ベンテイガ登場以降の販売は順調で、世界はもちろん日本でも右肩上がりが続いている。それにしても、およそ15年前デビューした初代コンチネンタルGTはセンセーショナルであった。なんたって4000~5000万円がデフォルトのベントレーが、2000万円を切って登場したのだから驚きは隠せない。当時の雑誌には“バーゲン価格!”なんてコピーが踊っていたのを記憶する。

すべてが新世代となった3代目

ベントレー コンチネンタルGT 新型ベントレー コンチネンタルGT 新型
さて3世代目である。このモデルは2017年のフランクフルトモーターショーでワールドプレミアされ、同年12月にジャパンプレミアされた。そして今回メディア向け試乗会が催され、今秋からデリバリーが始まろうとしている。で、その中身は、プラットフォーム、パワートレーン、インターフェイス、すべて新世代となった。

プラットフォームは同じVWグループの中のポルシェが担当し、新型『パナメーラ』も採用している。要するに同グループ内のハイパフォーマンスFR専用プラットフォームということだ。でも個人的に注目したいのはデザイン。ベントレーらしさを保ちつつも新鮮さをアピールした。実寸はそれほど変わっていないのにかなりワイド&ローに見える。グリルの位置を低くして……なんて技法だが、まさに秀逸なデザインの成せるワザだ。

インテリアも従来型を継承しながら進化。エアコン吹き出し口横のツマミはそのままにベントレー初のデジタルメーターを採用。またローテーションディスプレイにより隠れていた液晶モニターが現れるのも新鮮。タッチ式スクリーンの登場でライバルとの差はなくなった。
ベントレー コンチネンタルGT 新型ベントレー コンチネンタルGT 新型

すべてにおいて絶妙なセッティング

走りはまずエンジンに驚く。635psを発揮する6リッターW12 TSIエンジンのパワーもそうだが、900Nmの最大トルクは想像以上。アクセルを踏み込んだ時のシートバックに押し付けられる感覚は異次元だ。ここだけ抽出するとまるでレーシングカーである。

ただ、そんなモンスターユニットを持ちながらフロントヘビーにはならず、ハンドリングが軽快なのはさすが。連続コーナーをヒラリヒラリと向きを変える様は気持ちよく、ふた周りくらい小さなサイズのクルマに思える。パワステも軽すぎず重すぎず。すべてにおいて絶妙なセッティングが施されている。
ベントレー コンチネンタルGT 新型ベントレー コンチネンタルGT 新型
またそれだけスポーティでありながら乗り心地は破綻せず、上品さを失わない。3チャンバー式エアサスの恩恵なのだろうが、そこは彼らの真骨頂。ベントレーユーザーの求める乗り味がそこにある。ドライブモードを“コンフォート”にすれば永遠に乗っていられるような気がした。

距離を伸ばせば伸ばすほどカラダに馴染む。これがベントレー。そこには英国を代表する高級車としての一日の長がある。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ:★★★★★

九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身

《九島辰也》

九島辰也

九島辰也|モータージャーナリスト 外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。東京・自由が丘出身。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 多胡運輸が破産、首都高のローリー火災事故で損害賠償32億円
  2. アストンマーティン『DBX』に改良新型、内装一新…707馬力仕様に一本化
  3. Sズキが電動マッサージ器を「魔改造」、25mドラッグレースに挑戦!!
  4. 郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
  5. 「ホンモノのGT」が日常を小冒険に変える…マセラティの新型『グラントゥーリズモ』が誘う世界とはPR
  6. メルセデスベンツ『Gクラス』にEV誕生、4モーターで587馬力…北京モーターショー2024
  7. 『N-BOXカスタム』用パーツが一挙発売、ブリッツからエアクリーナーシリーズ4種類・5製品が発売
  8. 【トヨタ GRカローラ 新型試乗】「GRヤリス」とはスタンスが明確に違う理由…河村康彦
  9. [音響機材・チョイスの勘どころ]サブウーファー「小型・薄型モデル」の選択のキモは、“サイズ”と“音”と“価格”!
  10. ノンジャンル220台のマニアック車が集合…第15回自美研ミーティング
ランキングをもっと見る