パナソニック執行役員「すべての電動アシスト自転車をIoT対応したい」

パナソニックの片山栄一執行役員(右)とモバイク社事業開発役員のダニエル・ウー氏
パナソニックの片山栄一執行役員(右)とモバイク社事業開発役員のダニエル・ウー氏全 2 枚

パナソニックの片山栄一執行役員(パナソニック サイクルテック社長)は11月7日、同社が販売する電動アシスト自転車について「より安全な運転を実現するため、すべてIoT対応したい」と述べた。

これはアライアンス戦略の説明会で明らかにしたもので、同時に米国ケント社と中国モバイク社と協業を行うと発表した。これらは電動アシスト自転車を軸とした3大戦略の一環で、パナソニック サイクルテックは自転車の楽しみ方を自ら提案し、健康・安心・安全面で社会貢献を進めていく。そのためには、なんでも自前でやることをやめる。

ケント社との協業では、同社の電動アシストクロスバイク「XU1」とスポーツ電動アシスト自転車「ベロスター」をベースにした米国専用モデルをケント社に供給し、電動アシスト自転車の普及を一気に加速させる。米国はマウンテンバイクの最大消費国だが、その電動化比率は1%弱。そこで、米国最大手の自転車製造企業であるケント社の力を借りることにしたわけだ。

一方、モバイク社との協業では、世界最大の自転車シェアリング企業である同社が持つ認証や課金システムなどのIoTソリューションを利用し、日本国内でシェアリングサービスやレンタルサービスを2019年から開始する。

パナソニックは家電などのIoT化を積極的に進めているが、自転車についてはモバイク社の力を借りる。「自社で自転車のIoT化を進めることもできるが、それだとコストがかかってしまう。モバイク社と一緒にやることによって、断然コストが安く済む」と片山執行役員は話す。まずはリゾート地でのシェアリングサービスを行う。

将来的にはモバイク社との合弁会社設立も視野に、日本国内でパナソニックの電動アシスト自転車を用いた街中でのシェアリングサービスも検討する。また、所有している電動アシスト自転車についてもIoT化していく方針だ。走行データなどを蓄積して健康維持の助言などに役立てるほか、自動車との相互通信により接触事故防止のシステムづくりにも役立てていく。

そのほか7日には、ベビー用品大手のコンビ(本社・東京都台東区)と共同開発した子乗せ電動アシスト自転車「ギュット・クルーム」を12月に発売すると発表。子どもを乗せるチャイルドシートにコンビが独自開発した衝撃吸収素材を採用し、安全性を大幅に向上させた。また、乗り降りの際にフレームに引っかかって転倒しないように、足抜き空間を広げて跨ぎ安くした。

パナソニックは先日開いたフォーラムで、津賀一宏社長が次の100年に向けて“くらしのアップデート”を推進していくと宣言しており、今回の自転車でのさまざまな取り組みもその一環と言っていい。今後も電動アシスト自転車のラインアップの拡充と市場拡大を進め、新しい乗り方や遊び方を世界に向けて提案していく方針だ。

《山田清志》

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