【メルセデスベンツ CLS 新型試乗】超上手なドライバーが手を添えていてくれる感覚…岩貞るみこ

自動運転技術の使いやすさと、クルマそのものの実力

上手なドライバーが手を添えてアシストしてくれる感覚

人間研究、大事だよね

メルセデスベンツ CLS450 4MATIC Sports
メルセデスベンツ CLS450 4MATIC Sports全 7 枚

自動運転技術の使いやすさと、クルマそのものの実力

自動運転技術が続々と搭載され完成度が高まってくると、次に期待するのはこれの使いやすさだ。いかにドライバーが使いやすくできるか、違和感をなくせるか。このあたりは個人差の大きいところなので、どう乗り越えるかもあるだろう。

さらに、クルマそのものの実力も関わってくる。同じようにブレーキをかけても、クルマのできがよければ安定感が保たれ、さまざまなメリットが生ずる。

などと思いながら、『CLS』である。試乗したのは「CLS450 4MATIC Sports」。左ハンドル仕様だ。全長が5mもあるクルマの左ハンドルは正直、身構えてしまうけれど、でも大きなクルマほど実は左ハンドルのほうが使いやすかったりする。左側の感覚がわかるほうが、取り回しが楽な場面が多いのだ(私だけ?)

上手なドライバーが手を添えてアシストしてくれる感覚

メルセデスベンツ CLS450 4MATIC Sportsメルセデスベンツ CLS450 4MATIC Sports
高速道路を走行すると、アクティブ・レーンキーピングアシストが機能し始める。最初のうちに感じるのは、クルマが車線のわきに寄っていくと、すうっと中央に戻してくれるイメージ。おお、介入してきた、と感じられる。ところがだんだん慣れて、CLSに対する緊張感がなくなってくると、あれ?私ってば車線の中央をずーっと走っている?それも特別に集中して走っていたわけでもないのに?という感覚になってくる。

むむ、これはいかなることか。ハンドルを握る手のひらに意識を集中させてみると、自分でハンドルを動かしているようで、実は、CLSに上手に誘導されていたのである。なんと表現すればいいのか、つまり、私が握るハンドルに、上手なドライバーが手を添えて、気づかないようにそーっとアシストしているような感覚なのだ。

めっちゃ使いやすい!というか、安心感&疲労感軽減がものすごい!このありがたさは、長距離になればなるほど身に染みることだろう。このアシスト能力の高さは他車を一歩、いや、百歩くらい抜きんでいると言っていい。

人間研究、大事だよね

メルセデスベンツ CLS450 4MATIC Sportsメルセデスベンツ CLS450 4MATIC Sports
さらに、アクティブ・レーンチェンジアシストでは、ウィンカーを入れるだけで後方から近づくクルマがいないことを確認して車線変更してくれるのだが、雨や夜、角度のきついコーナー(とはいえ高速道路上だけれど)では、作動しないときがあると説明書にあるにもかかわらず、かなり毎回、正確に作動してくれる。

しかも、CLSの懐の深いゆったりとしたサスペンションが、クルマの左右の揺れを上手に受け止めてくれるものだから、快適で気持ちいいのである。

自動運転技術の開発合戦もあるけれど、最後は人がどう使い、どう感じるかだ。ここはクルマそのものの性能が勝負を分ける。人間研究、大事だよね。どの国産メーカーとは言わないけれど、技術者の常識、世間の非常識ってこと、認識してほしいなあ。

メルセデスベンツ CLS450 4MATIC Sportsメルセデスベンツ CLS450 4MATIC Sports

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

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