【インタビュー】ヤマハ発動機・日高社長「自動運転レベル3、4の知見を3年以内に固める」 | レスポンス(Response.jp)

【インタビュー】ヤマハ発動機・日高社長「自動運転レベル3、4の知見を3年以内に固める」

ヤマハ発動機 日高祥博 社長
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ヤマハ発動機の日高祥博社長は12月17日、静岡・磐田市にある本社で報道各社のグループインタビューに応じ、先に公表した長期ビジョンの実現に向けた自動運転、シェアリングサービス、電動化への取り組みを語った。

ヤマハが描くシェアリングサービス

グラブとヤマハの二輪配車事業のイメージ
----:先日公表した長期ビジョンで成長戦略のひとつにシェアリングの推進を掲げ、その一環として東南アジア配車サービス最大手のグラブ社との提携も発表しました。ヤマハが描くシェアリングサービスの展望は

日高社長(以下:敬称略):お客様や使われる人の利便性を考えた時に、ある地域においてはシェリング、バイクタクシーは有利。私もジャカルタには年に2回くらいは出張に行くが、年々、帰国する際に空港にたどり着くリードタイムは長くなっており、1時間くらい全く動かない時もある。その時に両側をバイクタクシーがさぁーっと流れていくのをみると、これは絶対に便利だなと感じる。そういったところは(バイクタクシーが)不可避だと思う。

自分たちがシェアリングを(直接)やることはないと思うが、シェアリングとは一体どういうことなのか、お客様にどういう価値を提供できるか、その中でヤマハ発動機として何がしかの価値を生み出すことができないか、こういったものをグラブとの協業を通じて学んでいきたい。

----:グラブ社との協業でヤマハの役割は

日高:グラブのバイクタクシーに乗られているお客様が一番やはり気になされているのは安心、安全。自分が呼んだドライバーが安全に運転してくれる人なのか、ビュンビュン飛ばして危ない人なのかよくわからない。

ヤマハのシンプルなセンサーをいくつかバイクに載せれば、そのバイクがどういう挙動で、どういうスピードで運転しているか全部とれるので、ドライバーの安全度ランキングを始め、いろんなことも提供できるようになると思う。そのフィードバックとして我々の2輪をいかに安全に使って頂くか、そういったところでグラブのニーズにも我々のニーズにも合致したデータ解析ができるのではないかと思う。

電動バイクは3年以内に

----:長期ビジョンの実現に向けて総額1億ドルの自社ファンドの運用を開始しました。これまでも戦略的な出資を行ってきましたが

日高:これまではヤマハの枠を通じて行ってきたが、決済やレポートラインなど様々な制約があった。それをベンチャーファンドにして権限委譲を含めてスピーディーに判断できる体制をとることで、今まで拾えなかったところや、新しい技術も拾えるのではないかということで造った。

ヤマハ e-Vino(イービーノ)
----:バイクの電動化に向けたロードマップは

日高:2050年までに製品から排出するCO2を半分以下にすることをコミットしているので、それに向けたロードマップで、何年までに電動化バイクが何%くらいないと達成できないというのは、社内的な目標は持っているが、それについてはまだ公表する段階ではないと思っている。

ただフル電動の二輪車は、おそらく大排気量の趣味財のところではニーズはなかなかないだろうと思う。主に電動化に取り組まなければいけないのは、日々の移動のためのスクーターの領域になる。フル電動を始め、ハイブリッドによる排出ガスの削減、燃費の向上もやっていくし、場合によってはシリーズハイブリッドなどいろんな可能性は出てくるのではないか。

2030年までの規模感としてウン万台はやらないと先に進めないと思っているので、頑張って売っていこうと考えている。

----:『E-Vino(イービーノ)』に次ぐフル電動バイクの投入メドは

日高:商品計画はすでに決まっている。どれだけ遅くとも3年以内に出る。

自動運転、四輪車事業への可能性

ヤマハ MOTOROiD(東京モーターショー2017)
----:自動運転への対応は

日高:自動運転レベル3、レベル4をやっていくために、どこまで技術が必要で、しかもクルマやオートバイといったモビリティ、もしくは歩行者が混合交通する時の課題といったものは実際に運用してみないとわからないことがいっぱいある。この領域の知見をまずは固める。

これは少なくとも次期中期計画の3年間以内にいろんな知見を固めてレベル3、レベル4、どのレベルでどういったもので事業化を考えるのかというのは決めなければいけない、造りこまなければいけないだろうと思っている。

---:その一方で、長期ビジョンおよび2019年度から始まる新中期経営計画の発表会見で、四輪車事業への参入を断念することも明らかにしましたが

日高:現中計で、エンジニアたちやお金も投入して研究開発してきた(英ゴードン・マレー社のスペースフレームと複合材を組み合わせた車体構造技術を活用した)四輪車のアイディアについてはいったん断念する。非常に残念だが、なかなかビジネスとして成立しないだろうという判断をした。このアイディアで四輪車開発を継続することはやめる。

今四輪車の業界もCASEなどいろんなことが起こっていて、先行きがどう変わっていくのかが少しわかりにくくなりつつあるが、おそらく今後の四輪車はこういう方向性になるという大枠が固まってきた時点になれば、『またやりたい』、『こういうことを考え出しました』とエンジニアが手を挙げてくると思う。そういうアイディアが出てきて、『それ良いな』という話になれば研究開発の可能性がゼロではないと思う。(今後、四輪車を)やるとも言えないし、やらないとも言えない。

《小松哲也》

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