ゴーン被告、不記載分の後払い額も英文で「確定報酬」と表記[新聞ウォッチ]

日産の西川社長(12月17日) (c) Getty Images
日産の西川社長(12月17日) (c) Getty Images全 3 枚

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2018年12月18日付

●ゴーン被告、覚書 英文で「確定報酬」後払い分含め記載(読売・1面)

●日産、会長選出見送り、取締役会、統治強化へ第三者委(読売・1面)

●トヨタ1076万台計画、19年世界販売、3年連続最高更新へ(読売・10面)

●プリウス一部改良(読売・10面)

●ルノー、西川氏宛て書簡、臨時株主総会の開催要求(朝日・3面)

●三菱自が報酬委設置、ゴーン前会長調査越年も(朝日・7面)

●ルノー次期会長ミシュランから、仏紙報道(毎日・6面)

●訪日客、3000万人きょう突破(産経・13面)

●パーク24、純利益3%増、前期(日経・21面)

●名義貸した人、賠償責任、車事故巡り最高裁判断(日経・38面)

ひとくちコメント

11月19日の「ゴーン逮捕」から1か月を迎えるが、日産自動車が取締役会を開き、当初予定していたカルロス・ゴーン被告の後任となる会長の選出は、筆頭株主の仏ルノーとの調整が難航したことなどから見送った。また、企業統治体制の強化を優先させるため、前経団連会長の榊原定征氏ら外部の有識者らでつくる第三者委員会の設置を決めたという。

取締役会終了後、午後7時半から横浜の日産本社で西川廣人社長が記者会見を開いて、議論の内容を説明した。会見時間は30分間と限定されていたが、焦点だった会長選任の時期については「3月末まで決まらなくてもいいかなと思っている。私からいつまでに決めてくれというつもりもない」と述べるなど、今後の企業統治体制の強化に向けての議論を優先する方針を示した。

きょうの各紙も毎日は「日産後任会長先送り」と面トップで報じたほか、経済面では「日産、会長人事駆け引き激化、関与求めるルノー」などと取り上げている。東京も「選べぬ会長日産ブレーキ」とのタイトルで「一連の事件で経営陣の責任を問う声もくすぶっており、会長長選びは膠着状態にある」と伝えた。

そんな中、きょうの読売が1面トップで「ゴーン被告、覚書 英文で『確定報酬』後払い分含め記載」と大きく報じている。

記事によると、「ゴーン被告の毎年の報酬を定めたとされる『覚書』に、報告書への不記載分を含む報酬総額が英文で『Fixed Remuneration(確定報酬)』と表記されていたことが関係者の話でわかった」として「本人の署名もあり、東京地検特捜部は、毎年の報酬総額の支払いが不記載分も含めて確定していたことを裏付けるとみて調べている」という。

さらに、「ゴーン被告は役員報酬の個別開示制度が始まった2010年3月期以降、高額報酬批判を避けるため、年20億円前後の報酬のうち、10億円前後を退任後に受け取るよう決定。『後払い分』を報告書に記載しない一方、確実に受け取るため、前代表取締役のグレッグ・ケリー被告らに対し、覚書など報酬に関する複数の書面を作成させていた」と伝えている。

この読売の報道が事実となれば、今回の事件では、後払い分の支払い額が決定していたかどうかが焦点となっているだけに、ゴーン被告の立場が不利になる可能性もある。昨夜の西川社長の会見で印象に残ったのは、会長選任を先送りしたことなどについても焦りの表情はあまりみられず、むしろ“妙な自信”のような強気の発言もみられたのはこうした事実が裏付けられたからなのか……。

《福田俊之》

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