『サウンド調整術』入門…クルマの中ではステレオが楽しめない?

カースピーカーの取り付け例(製作ショップ:サウンドワークス)。
カースピーカーの取り付け例(製作ショップ:サウンドワークス)。全 1 枚

現代ハイエンドカーオーディオでは、“サウンド調整機能”が大活躍している。その成り立ちや扱い方を紹介していこうと試みている当コーナー。まずは、“調整”が必要となる理由から解説している。今回は「車内においてのステレオ再生の問題点」について考えていく。

さて前回は、ステレオの仕組みを解説した。おさらいすると、「音楽を両耳で聴いているかのように2本のマイクで録音し、それを左右2本のスピーカーで再生することであたかも録音現場にいるかのような状況を擬似的に作り出そうとする」のが、ざっくりとしたステレオの仕組みであったのだが…。

しかし、クルマの中ではこの仕組みが機能し難い状況となっている。なぜならば、「リスニングポジション」が左右のどちらかに片寄っているから」だ。

リスニングポジションが左右のどちらかに片寄ってしまっては、左右のスピーカーの音量バランスが崩れ、音の到達タイミングがズレてしまう。これではステレオの仕組みが機能せず、音楽を立体的に感じ取り難くなる、というわけなのだ。

さらに言うと、フロントスピーカーがセパレーとタイプだった場合には、右ch、左chそれぞれでのツィーターとミッドウーファーとのサウンドバランスも微妙に狂ってくる。

しかし、“サウンド調整機能”を駆使すると、崩れてしまったサウンドバランスを修正することが可能となる。

なお、音の到達タイミングのズレを解決可能とする“サウンド調整機能”とは、“タイムアライメント”だ。当機能を活用すると、それぞれのスピーカーユニットの、発音タイミングをコントロールできるようになる。近くにあるスピーカーに対しては発音タイミングを遅らせて、あたかもすべてのスピーカーから等距離の場所にいるかのような状況を作り出せるようになる。

しかしながら、当機能にも少々限界があったりもする…。

それについては次回に解説させていただこうと思う。次週の当コーナーもお読み逃しのなきように。

『サウンド調整術』入門! 第1章「カーオーディオで“調整”が必要となる理由とは? その4 クルマの中では“ステレオ”が楽しめない?

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 三菱『デリカミニ』がフルモデルチェンジ!「やんちゃ坊主」感アップ、走りも三菱らしく進化
  2. 【日産 ルークス 新型】「ルークスはパイクカー」開発デザイナーが立ち返った“軽ならではのデザイン”とは
  3. 「アルパインスタイル仙台R4」がグランドオープン、待望の仙台エリアへ出店
  4. 「本当に世に出るとは」わずか1トンの車体に800馬力V12を搭載、「超アナログ」なスーパーカーにSNS沸く
  5. 昭和の子どもたちが憧れた「スーパーカー自転車」が50年ぶりに復活へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る