【ホンダ NSX 新型試乗】まさに「唯我独尊」ホンダ開発陣の意地を感じる…九島辰也 | レスポンス(Response.jp)

【ホンダ NSX 新型試乗】まさに「唯我独尊」ホンダ開発陣の意地を感じる…九島辰也

日常的な使いやすさと自然な動きの再現

挙動の一体感を感じる進化

ホンダ開発陣の意地を感じる

ホンダ NSX 新型
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日常的な使いやすさと自然な動きの再現

2016年に発表された2世代目『NSX』。発表時には各メディアがニュースやインプレッションを配信したが、このところご無沙汰。GTでの活躍は別としてにわかに存在が薄まっていた気がする。

と、思いきや、2019年モデルとして改良版が登場した。手が入ったのは、フロントグリルのボディ同色化やカーボンパーツのグロス仕上げ、新色サーマルオレンジ・パールの追加、あとはブレーキキャリパーがオレンジに塗られたりしているあたり。また、インテリアでは2色が追加された。

ただ、この辺はついでといってはなんだが、メインは走りの部分に関係する。具体的にはフロントとリアのスタビライザーを剛性アップし、アクティブダンパーシステムの可変領域を広げた。要するにスタビを硬くした分、限界領域はそのままにダンパーの柔らかくなる方向を足したのだ。目的は日常的な使いやすさと自然な動きの再現。開発陣はドライバーとクルマの一体化を強くアピールする。

挙動の一体感を感じる進化


では、実際に走った印象は、相変わらずのハイパフォーマンスカー振り炸裂といったところ。スーッと走り出しときから低速域での当たりはソフトだが、500馬力オーバーとモーターを使った中間加速と、コーナーでの向きの変え方は尋常ではない。

SH-AWDがドライバーの意図をそのまま具現化する。なんのフィルターもなく、クルクルと向きを変える様はまんまレーシングカーだ。そしてそれは、ステアリング操作に対する挙動の一体感が増したことにつながる。そもそもこの2シーターミッドシップマシンはそれなりに高い剛性を持っているが、それがより高まっているのを感じた。

インテグレイテッド・ダイナミクス・システムと呼ばれるドライブモードも激しい。デフォルトの“スポーツ”で十分な上に“スポーツ・プラス”とサーキット用の“トラック”が控えている。実際の走りはもちろん、ブリッピングから高回転域でのエキゾーストサウンドまで入念に仕上がっていると思えた。ただ、やはり一般道ではその走りを持て余す。

今回の試乗は約3時間ワインディングをメインに走り続けたが、サーキットでのパフォーマンスも体感したかったのが正直なところだ。ちなみに、タイヤもアップデイトされている。コンチネンタルのスポーツコンタクト5から6へとスイッチした。アフターマーケット用もあるが、純正はNSX専用に仕上げているそうだ。

ホンダ開発陣の意地を感じる

ユニークなのは“クワイエット”モード。その名の通り静かに走らせたいときに使う。積極的にモーターを使いエンジン回転数も低く抑えられるのが特徴。しかもモニター操作で時間帯を設定できるから嬉しい。この辺の配慮はあるに越したことはない。早朝ガレージから出すときはやっぱ静かにしないと。

今回3時間乗っていろいろ思ったが、NSXは唯我独尊であることを強く感じた。それはドライビングポジションもそうだし、低く先の短いボンネットや左右のフェンダーの膨らみといったパッケージングもそうだ。すべてが初代NSXを思い出させる。同じミッドシップレイアウトのイタリアのマシンともまた別だ。

それでも一番近いのは何かと考えると、マクラーレンかもしれない。まぁ、そこは話が長くなるのでまたの機会に。今回はドライバーとクルマの一体化と自然な乗り心地とハンドリング&挙動が再現できている。この辺はホンダ開発陣の意地といったところを感じた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★★

九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。東京・自由が丘出身

《九島辰也》

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