[カーオーディオ 用語解説]スピーカー編…身近に感じるために

『セパレート』スピーカーの例(by モレル)。手前に映っているパーツが『パッシブクロスオーバーネットワーク』だ。
『セパレート』スピーカーの例(by モレル)。手前に映っているパーツが『パッシブクロスオーバーネットワーク』だ。全 3 枚

「音楽は好きだけれど、カーオーディオはなんだか難しい…」そう感じて、なんとなくこれを敬遠しているという人も少なくないようだ。そんな方々にカーオーディオをもっと身近に感じていただけるように、『ザ・用語解説!』お贈りする。

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分かりにくい用語の意味が分かれば、例えば製品カタログを見ているとき、またはお店で製品説明を聞いているときの理解度がぐっと高まる。カーオーディオが遠い存在ではなくなるはずだ。

では早速、本編に入っていこう。まずはスピーカーに関する用語解説から始めていく。今回は以下の4つのワードについて解説する。じっくりとお読みいただきたい。

01・『セパレート』と『コアキシャル』とは?

『セパレート』と『コアキシャル』とは、スピーカーのタイプを表す言葉でもある。まずは『セパレート』から解説していこう。

こちらは比較的に分かりやすい。そのままズバリ、「複数のユニットで構成されるスピーカー」のことを指している。例えば『セパレート2ウェイスピーカー』と言えば、高音再生を担当する“ツィーター”と中低音再生を担当する“ミッドウーファー”とで構成されるスピーカー、ということになる。

スピーカーは、口径が大きくなるほど低音再生が得意になる。口径が小さくなるほど高音再生が得意になる。なので、スピーカーユニットを2つにわけそれぞれに得意な仕事に専念させて、結果、効率的に音楽を再生しようとする、というわけなのだ。

対して『コアキシャル』とは、“ツィーター”と“ミッドウーファー”が一体化したスピーカーのことを指す。『セパレート』の場合は、“ツィーター”と“ミッドウーファー”が別体なので、それぞれを個別に取り付けなくてはならないが、『コアキシャル』ならば、取り付けの手間が半減する。より手軽に取り付けられるのだ。

なお『コアキシャル』という言葉には、「同軸の」という意味がある。なので『コアキシャル』スピーカーでは、ミッドウーファーの「同軸上に」“ツィーター”が装着されている(写真参照)。つまりは、『コアキシャル』スピーカーも実質的には『セパレート』スピーカーだ。見かけ上、『フルレンジスピーカー』(低音から高音までを1つのユニットで再生するスピーカー)という体裁を取っているが、ちゃんと“ツィーター”と“ミッドウーファー”とが用意されているので、効率的に音楽を再生できる。

その上で、取り付けが比較的に簡単になり、かつ、音のまとまりも良くなる。しかしその一方で、音が足元から聴こえてくることになるのでサウンドステージを高い位置に上げにくい、という難しさも背負っている。

02・『パッシブクロスオーバーネットワーク』とは?

“ツィーター”と“ミッドウーファー”の2つを用意してそれぞれに得意な仕事だけをさせようとするときには、音楽信号を高域信号と中低域信号との2つに“帯域分割”させる必要が出てくる。『パッシブクロスオーバーネットワーク』とは、それを行うためのパーツのことを指す言葉である。

細かく説明すると、『パッシブ』という言葉には「受動的な」という意味があり、『クロスオーバー』には「帯域分割」という意味があり、そして『ネットワーク』にはこの場合、「回路」とか「装置」というような意味が持たされている。つまり直訳するならば「音楽信号を受動的に帯域分割する回路(装置)」ということになるわけだ。

さて、ここでいう「受動的な」とは、どういうことなのかというと…。

反対語を理解すると、意味が分かりやすくなる。反対語は『アクティブ』だ。意味は、「能動的な」である。つまり、音楽信号をパワーアンプに送り込む前に帯域分割することを『アクティブクロスオーバー』と呼び、パワーアンプで増幅された後に帯域分割することが『パッシブクロスオーバー』と呼ばれているのだ。

なお『パッシブクロスオーバーネットワーク』は基本的に、スピーカーに付属している。スピーカーごとで専用設計されているのだ。

03・『インナーバッフル』とは?

『インナーバッフル』とは、ミッドウーファーを取り付けるための“スペーサー”の役割を担うパーツのことを指す言葉である。純正スピーカーを取り外し、その場所に“ミッドウーファー”を取り付けようとしたとき、鉄板に直に取り付けると、いろいろと不都合が生じてくる。取り付けるためのネジ穴の位置が合わなかったり、さらにはスピーカーの奥側が、上から降りてくる窓ガラスと干渉してしまうこともある。しかし『インナーバッフル』を用いれば、取り付けるためのネジ穴の位置を調整でき、さらにはスピーカーを鉄板から立ち上げられるので、窓ガラスとの干渉を防ぐことも可能となる。

なお、ここでいう『インナー』とは、ミッドウーファーをドアパネル内に収める取り付けスタイルであることを意味している。反対語は『アウター』だ。『アウターバッフル』というと、ミッドウーファーをドアの内張りパネル面まで立ち上げるスタイルであることを意味するようになる。

さて、この『バッフル』という言葉は、そもそも何を表す言葉なのだろうか…。

オーディオ用語としての『バッフル』とは本来、スピーカーの表側から発せられる音と、裏側から発せられる音とを隔離するための「仕切り」のことを指す言葉である。

スピーカーの振動板が前後に動き、空気を震わせて音を伝えるわけなのだが、そのメカニズムはスピーカーの裏側でも成立している。つまりスピーカーは、表側にも裏側にも音を伝えることができるのだ。そして、表側で発生している音も裏側で発生している音も、耳で聴く分には同じ音なのだが、音波としては真逆の状態となっている。なので、それらが同一空間上で交わると、“キャンセリング(打ち消し合い)”が起こってしまう。『バッフル』はその“キャンセリング”を防ぐためのものだ。スピーカーの表側の空間と裏側の空間とを「仕切って」、前後の音が交わるのを防ぐ、というわけだ。

しかしながらカーオーディオにおいての『バッフル』は、“仕切り板”の役割は果たしていない。単に「スピーカーの取り付け面」という役割にとどまっている。

とはいえ、“音響パーツ”としての役割は、多々果たす。スピーカーの振動を鉄板に伝えないこと、スピーカーの足場を強固にすること、などなど。単なる「取り付けスペーサー」ではないのだ。

今回はここまでとさせていただく。次回以降も、カーオーディオを分かり憎くさせている難解なワードの意味を、1つ1つ解説していく。お楽しみに。

カーオーディオをもっと身近に感じるための、『ザ・用語解説!』 Part1 スピーカー編 l

《太田祥三》

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