自動運転を自前で成熟させる、ヴァレオの先進技術開発[オートモーティブワールド2019] | レスポンス(Response.jp)

自動運転を自前で成熟させる、ヴァレオの先進技術開発[オートモーティブワールド2019]

ヴァレオジャパン 岩井崇尚氏
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自動運転技術の開発競争が加速する中、ヴァレオジャパンでADAS(先進運転支援システム)関連の技術開発部門のディレクターを務める岩井崇尚氏は「ヴァレオは顧客の近くで開発する戦略のもと世界中で投資を行っている」と語る。

日本のOEM向けであれば日本で開発する

自動運転の技術開発に向けたヴァレオの方針について岩井氏は「ヴァレオはセンサーシステムのサプライヤーなので、クルマを造ることはもちろんない。ただセンサーテクノロジーは自動運転のキーになってくるので、自動車メーカーとより近いところで開発をしていきたい。日本のOEM(完成車メーカー)向けであれば日本で開発する。それがヴァレオのストラテジー」と話す。

その上で「OEMと一緒に開発していくという視点から、ヴァレオは、ローカルの開発チームをより潤沢に、また環境も構築すべく世界中で投資を行っている。日本の顧客にとっても日本に大きな開発チームがあれば大いに助かるということで、ヴァレオジャパンにはADAS(先進運転支援システム)関連だけですでに100名ほどのエンジニアがいる」と明かす。

また「現在、茨城県つくば市に80m×200mの自動駐車用テストコースがあるが、新たに周回路のテストトラックを設ける計画。今はプラハやスペインなど海外にあるテストトラックを借りてやっているが、日本の顧客からの受注が増えているので、日本で閉じた形でできる環境を整えるために、テストトラックを造ることにした。2019年初頭から部分的に使えるようになる」とも。
高速道路用自動運転車「Cruise4U」が日本一周テストを終え、つくばテクノセンターに到着した際の写真
ただ、すべてローカルで自己完結するのではなく「要素技術のプラットフォームは、ヴァレオのセンサー技術のヘッドクォーターがあるドイツのシュトゥットガルトにいるチームが手掛け、そのプラットフォームの根幹になるベースソフトウェアはエジプトのカイロにいるチームが開発する」ように、役割分担されている。

ヴァレオジャパンのチームは「そのプラットフォームやソフトをもとに、顧客のアプリケーションに適合させるというのが責任範囲。ベースとなるプラットフォームがあって、例えばセンサー検知は人だけなのか、自転車も含めるのかとか、自動走行では車線の真ん中をキープするのかなど、顧客によって仕様要求は様々ある。様々な要求に応じた開発をするのが日本のチーム。だから日本のチームはADASの機能についてすごくプロフェッショナルで、それを実現する。またインテグレーターと呼ばれるクルマをテストしたり、実験してその性能を確かめたりするエンジニアもいて、アプリケーションから車種適合まですべて日本でできる体制になっている」という。

自動運転を自前で成熟させる

市街地でのレベル3自動運転デモカー「Drive4U」
一方で、「ADASの様々な機能ができることを顧客に伝えるために、ヴァレオとしては自動運転を自前で成熟していかなければいけないと考えている。その流れの中で産み出されたのが市街地でレベル3の自動運転を目指したデモカーである『Drive4U(ドライブ・フォー・ユー)』だ」とも岩井氏は話す。

その背景にあるのは「まずセンサーを造って、それをどう使えば良いのかという提案までできることが、ビジネス戦略のひとつ。さらにいうならヴァレオはどういったものが必要かをヴァレオなりに考える。ライダーが必要と判断すれば投資をして、それを世界で初めてクルマに搭載するといったストーリーを描く。自動運転にはどのようなセンサーが必要なのかということを常に考え、また自動運転とは何かというところまでプロダクト、マーケティングチーム含めてロードマップを書いて、それに合わせて開発していくことを繰り返している」というもの。

岩井氏は「ドライブ・フォー・ユーを走らせることで、各種センサーの能力を顧客に示し、理解してもらうことができるので、そうしたベンチマークとして必要なのがデモンストレーションだと思っている。さらにセンサーだけではなくて、システムインテグレーションがキーになってくるので、そうした技術も同時に手掛けて自動運転に関する自社の開発力を高めて、それを顧客に提供するという流れで自動運転の技術を磨いている」と強調する。
ヴァレオジャパン 岩井崇尚氏

CES2019での発表も

その岩井氏は1月16日から東京ビッグサイトで「第11回オートモーティブワールド」と同時に開催されるエレクトロニクス開発・実装展「第48回ネプコンジャパン」の2日目(1月17日)の専門セッション『カーエレクトロニクス開発最前線と実装技術』に登壇し、「自動運転・デジタルコックピットを中心としたヴァレオの先進技術開発」について語る。

「価値の提供、顧客に受け入れられる商品、安全性の向上をテーマにヴァレオのHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)を紹介する。例えばヴァレオは(ジェスチャーコントロール技術を持つ)gestigonを買収し、TOF(タイム・オブ・フライ)というセンシングカメラを使って立体を検知してHMIに生かすことをしている。今、ヴァレオがHMIでどんなことをやっているかを披露したい」と岩井氏は専門セッションに向けた思いを語る

さらに米ラスベガスで開催された世界最大級の家電見本市CES2019でヴァレオが初公開した「コネクティビティやセンサー、車室内のビームマイク、さらにはヴァーチャルのテクノロジーなどを組み合わせて、家に居ながらにして、クルマに乗っているような体験ができるコンセプト『Valeo Voyage(ヴァレオ・ボヤジ)』も紹介したい」とも話していた。

■本講演の詳細は
https://reed-speaker.jp/Conference/201901/tokyo/top/?id=AUTO&lang=jp#AUTO-1

■第11回オートモーティブワールド
自動運転、クルマの電子化・電動化、コネクティッド・カー、軽量化など、自動車業界における重要なテーマの最新技術が1120社出展する世界最大の自動車技術展。「国際カーエレクトロニクス技術展」「EV・HEV駆動システム技術展」「クルマの軽量化技術展」「コネクティッド・カーEXPO」「自動車部品・加工EXPO」「自動運転EXPO」の6つの展示会を開催する。また業界の第一人者たちが講演するオートモーティブワールドセミナーも注目を集めている。

■展示会のご入場には招待券が必要です。招待券請求(無料)受付中!
※招待券の事前登録により、入場料(5,000円)が無料になります。
https://www.automotiveworld.jp/inv/

会期:2019年1月16日(水)~18日(金)10:00~18:00 (最終日のみ17:00まで)
会場:東京ビッグサイト
主催:リード エグジビション ジャパン株式会社
■第11回オートモーティブワールド 詳細はコチラ!

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《小松哲也》

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