【BMW X4 新型試乗】一瞬でこんなに気持ちを熱くする音はない…岩貞るみこ

ほどよいサイズ感、と思いきや

一瞬で気持ちを熱くするMの洗礼

運転がうまくなるように誘導してくれるよう

BMW X4 M40i
BMW X4 M40i全 6 枚

ほどよいサイズ感、と思いきや

リアのガラス部分が、ナナメにすらりとしているSUV(BMWはUtilityではなく、Activeを主張してSAVといっているけれど)は、遊びのギアをたくさん載せることより、デザインも楽しんでねというスタンスである。

ひとつ下の『X2』は、日本の女性に似合う使いやすさとサイズを兼ね備えたエモーショナルなクルマ。上にはビッグサイズの『X6』があるから、X4もX2寄りのほどよいサイズ感……と期待していると、対峙したときにちょっと腰がひける。

大きい。やはり。高さは1620mmと、SUVのなかでは控えめだけれど、ボンネットの高さというか厚みに迫力がある。さらに横幅は1940mmだもの。重量級である。

一瞬で気持ちを熱くするMの洗礼

BMW X4 M40iBMW X4 M40i
今回、試乗したのはX4のなかでもMシリーズの「M40i」。まず、エンジンをオンにしたときにMの洗礼を受ける。スタートボタンを指でプッシュした瞬間に轟く攻撃的な咆哮。一瞬でまわりを振り向かせる一撃である。早朝に家を出るときは危険極まりない。とっととシフトをDに入れて、その場を離れないとご近所からなにを言われることか。ただ、シフトレバーをDに入れて走り始めると、咆哮の音量はおだやかに下がるので、そこはちょっとだけ救いかも。

ご近所の目(耳)を気にすると身が縮む思いだけれど、それを抜きにすれば、一瞬でこんなにドライバーの気持ちを熱くする音はない。スタートボタンを押すと同時に発せられる「魂を熱くする音」を、めいっぱい楽しめる駐車場環境のある家に住みたいものである。

運転がうまくなるように誘導してくれるよう

BMW X4 M40iBMW X4 M40i
さて、今回、二度ほど、歩行者に対する被害軽減ブレーキ(一度は警報のみ)が作動した。いずれの場合もクルマは車道を走り、人は路側帯を歩いていたけれど一瞬、わずかにクルマの向きが人の方に向いていたときに、すかさず反応である。

私自身は歩行者を認識していたし、速度的もゆっくりだったし、歩行者に対して突っ込むような角度になったのもほんの一瞬だったのに、ビビッという音や、がくんと急減速がかかる。一瞬、なにごと? と、思ってしまうけれど、運転席の前方に人型マークが表示されることで、歩行者に反応しての作動だったことがわかる。

んじゃ、この反応が煩わしいのかというと、そうでもない。どちらかというと、「このままじゃ危ないですよ」「一瞬でも人に対してこの向きにすると、もしかしたらいざってときヤバいですよ?」そんなふうに、アドバイスしてくれている感じなのである。

こうした機能は最後は、使っている人がどう受け止めるかが肝だけれど、BMWのこのシステムは、自分の運転がうまくなるように誘導してくれているようで、ちょっと嬉しい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

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