ブリヂストンのフラッグシップ、レグノGR-X IIが登場…摩耗時の静粛性向上がキー

ブリヂストン レグノGR-X II
ブリヂストン レグノGR-X II全 8 枚

ブリヂストンは同社のフラッグシップタイヤ『レグノ』の新商品『レグノGR-X II(ジーアールクロスツー)』を2月より順次発売すると発表した。

タイヤには4つの役割と7つの性能がある

ブリヂストンタイヤジャパン常務執行役員消費財タイヤ事業担当の長島淳二氏は、「ドライバーの安全安心を守るため、主に支える、伝える、和らげる、転換維持するという4つの役割を持ち、さらに安全安心を追求し、お客様のニーズに応えるために、ブリヂストンは7つの性能が重要だと考えている」という。

それは、「運動性能としての直進安定性、ドライ性能、ウェット性能、車内で快適に過ごすための乗り心地と静粛性、そして地球環境への配慮としてライフと低燃費。この7つの性能の総合力がタイヤには必要だ」と述べる。

グレートバランスのうえに静粛性のさらなる向上

レグノブランドはブリヂストンの乗用車カテゴリーでは最上位ブランドで、「タイヤに必要なこれら7つの性能の全てを磨き上げ、高次元でバランスさせる“グレートバランス”をブランドコンセプトとしている」と長島氏。そして新製品GR-X IIは、「7つの性能の全てにおいて先代を上回ることはもちろん、タイヤの新たな価値を創造すべく生まれた新商品だ」と述べる。

特に「このグレートバランスを軸に、コア性能である静粛性、乗り心地をさらに向上させたフラッグシップタイヤだ。その商品の特徴は大きく3点あり、静粛性の進化。次に乗り心地と運動性能の両立。そしてグレートバランスのもとにライフ、低燃費、ウェット性能をも高次元でバランスさせた」と説明。さらに静粛性に関しては、「新品時だけではなく摩耗時でも上質な静粛性が実現されており、これはブリヂストン独自の性能低下抑制技術を開発し、長く使用しても静粛性が持続するよう設計した」と静粛性において新たな価値を生み出していることを強調した。

タイヤが減っても静粛性を維持

その静粛性に関し、ブリヂストン執行役専務CTO・技術・品質経営分掌兼開発管掌の坂野真人氏は、「新品時の静粛性では、『レグノGR-X I(ジーアールクロスアイ)』に引き続きノイズ吸収シートII、ダブルブランチ型消音器を搭載した。さらにダブルブランチ型消音器については、特定周波数、高周波パターンノイズの周波数に特化して、このブランチの形状を最適化してさらなる静粛性を達成している」と説明。

そして、新価値である摩耗時の静粛性では、「ダブルブランチ型消音器も、タイヤが減るとなくなってしまい、効果も消えてしまう。そこで我々は製造技術の進化により、シークレットブーツと呼ばれる、溝の中にもうひとつの溝を作ることに成功した。この技術を応用することにより、タイヤが摩耗して減ってくると新たに形状を最適化されたダブルブランチが登場する」と話す。その結果、新商品GR-X IIでは現行商品のGR-X I対比、「新品時で5%、60%減った状態の摩耗時で17%の騒音エネルギーの低減に成功」とした。

GR-X IIはサイドウォールのデザインにもこだわった。坂野氏は、「世の中には構造色という色がある。これは実際に色がついているわけではなく、構造で色を発生するというもの」という。例えば「昆虫の玉虫は虹色に見え、孔雀の羽は非常に鮮やかな色をしている。これらは実際に羽や虫の体に色がついているわけではなく、表面の微細な構造によって光の反射をコントロールしてあたかも色がついているように見せている」ことから、この微細構造を採用し、「“REGNO”という部分により黒く見える黒のコントラストという従来にはないコンセプトを採用した」と特徴を語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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