【ダカールラリー2019】アルアティアが個人3度目の四輪総合優勝…トヨタは初制覇

トヨタ・ハイラックスのアルアティアが四輪総合優勝。
トヨタ・ハイラックスのアルアティアが四輪総合優勝。全 12 枚

南米ペルーで現地6日から開催されていたダカールラリーの2019年大会が同17日に閉幕した。四輪総合優勝はTOYOTA GAZOO Racing SAのナッサー・アルアティアで、個人通算3回目、トヨタにとっては初のダカールラリー制覇となっている。

難所の多いペルーでの“一国勝負”となった今年のダカールラリーは、全行程こそ短めながら、やはりタフな展開だった。全カテゴリーを通じての概算完走率は半分ちょっと、というところ(55%前後と見られる)。各カテゴリーの総合優勝候補と目された存在が突然ラリーから消えたり大きく後退することがあるなど、2019年大会はスリリングな推移を見せつつ、首都リマに戻りフィニッシュを迎えた。

プジョー・ワークスの参戦が前回で終了した四輪、今回の総合優勝を射止めたのはトヨタ「ハイラックス」を走らせた「TOYOTA GAZOO Racing SA」(SA=南アフリカ)のN. アルアティアだった(コ・ドライバーはM. バウメル)。カタール出身、オリンピック等の射撃競技での活躍でも知られるアルアティアは個人通算3回目のダカールラリー制覇で、トヨタ車のダカールラリー四輪総合優勝は今回が初。

プライベート体制でプジョー「3008DKR」を走らせたWRC9冠王S. ローブは総合3位、念願の総合優勝は成らなかった。MINI JCW Buggyを主機とし、前回の総合優勝者C. サインツやダカールの帝王S. ペテランセルら前プジョー・ワークス組のドライバーも揃えた「X-raid」勢では、MINI JCW Rallyを駆ったN. ロマの総合2位が最高。

四輪の市販車部門では「TEAM LAND CRUISER TOYOTA AUTO BODY」(TLC)が部門6連覇を達成した。優勝はC. ラヴィエル&J-P. ギャルサン。前回の優勝者でトヨタ車体の社員ドライバー、三浦昂(コ・ドライバーはL. リシトロイシター)が2位に続いている。

トラックの総合優勝はカマズのE. ニコラエフ。排気量10リットル未満クラスの「HINO TEAM SUGAWARA」では、菅原照仁がクラス10連覇を飾り、トラック総合でも9位に入った(今回の照仁のコ・ドライバーは羽村勝美)。照仁の父で連続出場記録更新中の菅原義正(コ・ドライバーは櫻井亜仁)は前半戦の途中で競技からリタイア(後半になって“賞典外”で再走行)。

TGR-SAのアルアティアが四輪総合優勝し、TLCと日野チームスガワラがそれぞれの連覇を継続するというトヨタグループ系チームの活躍に対し、豊田章男トヨタ社長は祝福と感謝のコメントを発表した(以下はその抜粋)。

「TGR-SAチームとナッサー(アルアティア)選手とは2017年末にスペインでハイラックスを一緒に運転させていただきました。その時、彼らは過去に獲得した総合2位のトロフィをプレゼントしてくれ、『次は総合優勝のトロフィをお届けします』と宣言してくれていました。その約束を彼らが果たしてくれたこと、たいへん嬉しく思います」

また、昨年TLCのモロッコでのテストに参加し、砂と苦闘したエピソードも豊田社長は披露し、「道がクルマをつくる」「クルマは人の命を運んでいる」といったことをあらためて実感したと強調。「極限の環境であるダカールラリーを走ってきた各チームは、トヨタグループのもっといいクルマづくりを大きく前に進めてくださったと思います。 本年もトヨタグループ一丸となって世界中の様々な道を走り、もっといいクルマづくりに取り組んでまいります」と結んでいる。

二輪では「Monster Energy Honda Team」が悲願の“ワークス復帰後初の総合優勝”を果たせるかに注目が集まったが、7年目の今回も悲願達成は叶わず。速さはあったが、5台中3台がリタイアしていく展開で、終盤にも総合トップ争いをしているマシンのストップという手痛い状況が見られた。二輪総合優勝はT. プライスで、KTM勢は18連覇達成となっている。

*本稿における結果・内容等は、原則としてラリー終了直後の判明順位等に基づく。

《遠藤俊幸》

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