「戦後最長」の景気拡大の中、曙ブレーキは私的整理を申請[新聞ウォッチ]

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

何が最長なのか、まったく実感がわかない。景気の拡大期間が74か月(6年2カ月)に達し、リーマン・ショックがあった2008年まで6年1カ月続いた「いざなみ景気」を抜いて戦後最長になった可能性が大きいそうだ。

政府が発表した1月の月例経済報告で国内経済の基調判断を「緩やかに回復している」としたためだが、成長率は低く、好景気だと豊かさを実感するのは極めて薄いと思う人も少なくないだろう。しかも、判断の前提となる「毎月勤労統計」への信頼が揺らぐ中での発表だ。

きょうの各紙も「『最長』景気実感薄く」(読売)、「景気拡大手応えなき『戦後最長』」(朝日)、「『最長景気』もろい足場」(東京)などと伝えている。

曙ブレーキのホームページ曙ブレーキのホームページ

好景気という実感が薄いのは、賃金や消費は停滞しているほか、これまで追い風となってきた中国など海外の景気にも、影が差しているためとみられる。

こうした中、自動車部品大手の曙ブレーキ工業が私的整理の一種である「事業再生ADR」(裁判以外の紛争解決)制度の利用を第三者機関に申請し、取引金融機関に金融支援を要請するという。

日経などが報じているが、米国で自動車メーカー向けの受注が減少し、資金繰りに行き詰まったのが主因とみられ、取引金融機関に対して借入金元本の返済を一時停止してもらえるよう求め、事業を継続しながら経営再建を図るという。

曙ブレーキと言えば、現社長の信元久隆氏の父親で前社長の信元安貞氏(故人)の長期政権時代に海外事業などを拡大して成長基盤を築いた。また、「中興の祖」とも呼ばれた安貞氏は、趣味の長唄・常磐津を通じて、自動車業界ばかりでなく政財界人との人脈を広げていたのだが……。

2019年1月30日付

●「最長」景気実感薄く、6年2か月「いざなぎ」超え、鈍い賃上げ弱い内需(読売・2面)

●「連結トラック」本格的に解禁、一人で荷物2台分(読売・11面)

●御茶ノ水駅にエレベーター、JR エスカレーターも完成(読売・28面)

●退任で38億円? 頭悩ます仏政府、ゴーン被告巡り報道(朝日・8面)

●日産・ルノー・三菱あす会談、3社トップ、踏み込んだ議論なしか(毎日・4面)

●曙ブレーキが私的整理申請(産経・10面)

●自動車盗「5秒で解錠」新手口、電子キー悪用、リレーアタック(産経・27面)

●搭乗口来ない旅客顔認証検索、デンソ―子会社開発、飛行機出発遅れ抑制(東京・6面)

●中国、新車買い替え補助、家電も対象、消費刺激策を復活(日経・1面)

●アルプスアルパインの今期、車向け不振49%減益(日経・19面)

《福田俊之》

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