「スロットカー」で伝説のドライバー達が白熱…奥深い大人の自動車ホビー

伝説のドライバー達を魅了する奥深い大人の自動車ホビー「スロットカー」とは?
伝説のドライバー達を魅了する奥深い大人の自動車ホビー「スロットカー」とは?全 14 枚

皆さんは「スロットカー」ってご存知ですか?

若い方にはあまり馴染みがないかもしれませんが、スロットカーとは “スロット(溝)に沿って走る自動車模型” であり、専用のコースを使ってレースを楽しむ遊びです。

1960年代にブームになった“走るプラモデル”といえばピンとくる方もいるのではないでしょうか? 当時は、鈴鹿をはじめ、船橋、富士と相次いでサーキットが建設され、日本のレースシーンの盛り上がりと共にスロットカー人気も高まっていました。



◆ 18名のレジェンドドライバーが集結

なぜ突然、昔流行った自動車ホビーの話をするのかというと、2月9日(土)に新横浜駅から電車で一駅の場所にあるスロットカーショップで、日本のモータースポーツの礎を築いてきた重鎮達が集結するスロットカーレースのイベントが開催されたからです。

開催前に参加者のリストを見てまず驚いたのはその顔ぶれ。集まるといっても2~3人のゲストを呼ぶくらいだろうと高を括っていたのですが、なんと総勢18名のレジェンドドライバーが集まるというのです。

イベント当日は大寒波で雪がパラつく生憎の空模様でしたが、ワクワクしながら会場に向かいました。



◆ スロットカーが繋いだ、 憧れのドライバーとの縁

今回取材したのは『第12回 レジェンドドライバー・スロットカーレース大会』。主催者のMFC(モデルカーファンクラブ)田村吉幸氏がドライバーの鮒子田寛選手に声を掛けたことがきっかけで12年前に立ち上がった本会について田村氏に話を伺うと、「12年も続いているのは、この会で誰も儲けてないから。運営委員会だけでなく、ドライバーの方々にも全員ボランティアで参加頂いているんです」と予想外の回答を頂くことができました。

さらに驚いたのが、会場を走らせている1/32スケールのスロットカーは、当時のレーシングカーをリアルに再現したもので、それら全てが田村氏の手作りだったこと。普段は仕事をしながら空いた時間を使い、1台制作するのに最低でも1ヶ月は掛かるそうです。

一個人である田村氏の“スロットカーを広めたい想いと、往年のドライバーに対する敬意”が、レジェンドドライバーを始めとした周囲の人々の賛同を得たことで、12年も続くイベントに成長したのでしょう。



◆ 元レーサーの血が騒ぐ、熱い戦いが繰り広げられた

実際のレースはどうだったかというと……。レーシングスーツに身を包み昔の血が騒いだのか、和やかとはとても言えない雰囲気の熱いバトルが繰り広げられ、時折「コーナーが見えない!」などと言った怒号が飛び交っていました。
70年代のGCカーをメインとしたレース「Legend Cup」では、マッキャンベル・シェブロンB23を操った高橋晴邦選手が優勝。合計200周を走る団体戦「68年日本GPリターンズ」では、舘信秀選手、高橋晴邦選手、MFC伴野選手、MFC金子選手の4名がトヨタ7を走らせ優勝しました。


溝に沿って走らせるスロットカーはステアリング操作がなく一見簡単そうに見えますが、実際に操作をするとスピードに慣れたレーサーでもコースアウトが続出する難しさです。往年のレーサーも夢中になる“敷居は低いが奥深い”大人の自動車ホビー「スロットカー」。クルマを大切にする皆さんも一度試してみてはいかがでしょうか?




Legend Cup Entry List:ドライバー(車名)
大久保力(エバ・カンナム・ローラ)
片桐昌夫(エバ・カンナム)
桑島正美(スリーボンド・マーチ)
鈴木恵一(スカイライン・マーチ)
関谷正徳(レイトンハウス・マーチ)
多賀弘明(クラウン・ローラT290)
高橋晴邦(マッキャンベル・シェブロンB23)
武智勇三(ダイハツ・P5・マーチ)
舘信秀(トムス・マーチ)
津々見友彦(シックスーパー2・ローラ)
寺田陽次郎(シェブロン・マツダ)
戸谷千代三(レノマ・マーチ)
長坂尚樹(スピードスター・シェブロン)
長谷見昌弘(ミノルタ・マーチ)
鮒子田寛(オンワード・シェブロン)
見崎清志(ローラ・T290)
柳田春人(フェアレディ・Z240)
和田孝夫(アドバン・MCS)
※50音順 敬称略

伝説のドライバー達を魅了する奥深い大人の自動車ホビー「スロットカー」とは?

《カーケアプラス編集部@市川直哉》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  2. 世界最高級ピックアップトラック誕生!? トヨタ『センチュリーピックアップ』の可能性
  3. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  4. 日産 リーフ 新型を発表、第3世代は航続600km超のクロスオーバーEV
  5. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る