電動車いす WHILL で横浜を回遊…シェアリング実証実験「未来モビリティショーケース」

WHILL『Model C』
WHILL『Model C』全 9 枚

神奈川県横浜市のみなとみらい地区で15日、パーソナルモビリティのシェアリング実証実験「ヨコハマ未来モビリティショーケース」がスタートした。これは電動車いすWHILL『Model C』を使い、歩行空間における新たな移動手段の可能性を探り、事業化に向けた検証を行うことが目的だ。

【画像全9枚】

この実証実験は、ヨコハマ未来モビリティショーケース推進協議会と横浜市が主催。みなとみらい線みなとみらい駅を中心とした「みなとみらい21中央地区」を走行エリアとして設定し、3日間おこなわれる。実験内容は、幅広い人にModel Cでエリア内を走ってもらい、さまざまなデータを収集するというものだ。

参加者にとっては体験試乗会となるイベントで15歳以上、体重115kg未満であれば誰でも参加できる。注目点は「試乗者が、自由に屋外を散策できる」ということ。受付場所にある簡易試乗コースを走って問題ないと判断されれば、そのまま単独で屋外へ繰り出せる。これはModel Cが既存の電動車いすやシニアカーと同じく「歩行者扱い」となる乗り物のためだ。

ちなみに貸出時間は2種類設定され、1時間以内の場合は無料。3時間以内では1000円となっている。実験初日の15日は実施時間が3時間と短かったため、有料プランを選ぶ人はいなかった。それでも、実験のために用意した6台が揃って待機するタイミングはほとんどなかった。通りがかりで見て興味を持ち、簡易試乗コースで乗ってみる人は意外なほど多かった。

WHILLのスタッフによれば、実験スタートから1時間で5人が屋外へ繰り出した、とのこと。また「実験でどんな成果を期待するか?」という質問には「まったく予測不可能。どんなニーズがあるのか、どんな課題が見つかるのか。そうしたことを探るために、幅広い人に乗って散策してほしい」とのことだった。

実際に試乗してみると坂道や石畳でも問題なく、まったくもって「気軽に乗れる移動手段」という印象。路面電車や路線バスなどトランジットモールに進入でき、電動車いすもそのまま乗車できる公共交通機関と組み合わせれば、行動範囲をさらに拡大できることは間違いないと感じた。将来は自律走行シャトルと組み合わせるというのも有望だろう。

いっぽう上下移動が難しいという課題は残る。試乗中、遊歩道の下を通る大通りの歩道へ降りようとしたのだが、どこから降りればいいのかがまったくわからない。結局、複数フロアに出入口を持つ商業施設のエレベーターを使ったが、意外なほど遠回りする結果に。

階段は屋外のあちこちにあるが、車椅子利用者や「歩行者扱いとなるモビリティ」への意識が欠如した街作りがされていると感じた。こうした課題を解決するには、道路を管理する行政と沿道の民間施設、そしてシェアリング事業者などが連携し、移動の魅力を高めてゆく取り組みを続けることが必要なのだろう。

この実証実験は16、17日も実施される。貸出場所は「マークイズみなとみらい」1Fグランドガレリアと、みなとみらい駅地下3F「みらいチューブ」の2か所。実施時間は11~18時となっている。

《古庄 速人》

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