9日、明治神宮外苑いちょう並木でF1マシンによるデモ走行イベント「レッドブル・ショーラン東京」が開催された。レッドブル・レーシング(Aston Martin Red Bull Racing)のマックス・フェルスタッペンとピエール・ガスリーが多くのファンの前で迫力の走りを披露している。
この日は午前から昼にかけて、このイベントの舞台である明治神宮外苑いちょう並木からほど近い青山一丁目駅の交差点そばにあるホンダ本社にて、ホンダ製パワーユニット(PU)を搭載して今季のF1を戦うレッドブル・レーシングとスクーデリア・トロロッソのドライバーやチーム首脳らがキックオフイベントに参加していた。その後、レッドブルの今季ドライバーであるフェルスタッペンとガスリーは明治神宮外苑いちょう並木に移動し、レッドブルのF1マシンによるデモ走行イベントもこなすスケジュールだった。
F1マシンが東京のド真ん中で、現役F1ドライバーのドライブによって走る機会は稀。天候にも恵まれ、周辺は朝から多くのF1ファンで賑わっていた。時間的に先行するホンダのイベントが始まる前の段階から、青山一丁目駅の地上出口付近ではレッドブル・ショーラン東京への誘導案内も出されていたくらいである。
迫力の走りを堪能したファンが充分に楽しめたのはもちろんとして、開幕戦オーストラリアGP(17日決勝)を翌週に控えたフェルスタッペンとガスリーにとっても、忙しいながらも日本のファンと交流する良いリラックスタイムになったのではないだろうか。
特にガスリーは2017年にホンダエンジン搭載チームで日本のスーパーフォーミュラを戦い、昨年はトロロッソ・ホンダから自身初のF1フル参戦を実現、そしてレッドブルに昇格移籍した今季もホンダと一緒に戦うという、ホンダとは実に縁深いドライバー。日本にもファンが多く、彼も日本が好きなようだ。
ホンダでの会見時、ガスリーは「こういう(自分とホンダの)ストーリーは当初は予想できないものだったけれど、素晴らしいストーリーだよね。僕はホンダのファミリーの一員になれたと思っている。日本のカルチャーも好きだし、日本の人たちも僕を快く迎え入れてくれた」と語り、親日家ぶりをみせていた。
一方のフェルスタッペンは21歳の若さで既にF1通算5勝、近未来の新チャンピオン候補筆頭であり、ホンダで走るのは今季からだが、やはり知名度も人気も高い。また、彼の父ヨス・フェルスタッペンも往年のF1ドライバーだったことから、オールドファンにも覚えめでたい存在といえよう。今後は“日本のドライバー”にもなるマックス、その第一歩となる日が2019年3月9日だったかもしれない。
ショーラン東京はあくまでレッドブル側のイベントながら、一連のホンダF1壮行イベントのトリという位置づけにもなった。メルボルンで開催される開幕戦オーストラリアGP、フェルスタッペンとガスリーを擁するレッドブル・レーシングがホンダ製PUとともに幸先の良いスタートを切ることができるかどうか、大いに注目されるところだ。