「宮古カレン」の PCXエレクトリック で宮古島試乗、これはIoTバイクの新体験だ

PCXエレクトリックを宮古島で味わう

バッテリー交換ステーションも体験の場

コネクテッド機能で万全の体制

宮古カレン PCXエレクトリック
宮古カレン PCXエレクトリック全 24 枚

PCXエレクトリックを宮古島で味わう

視界いっぱいに広がる青とエメラルドグリーンの海。その上に伸びる一本の道をホンダの電動バイク『PCXエレクトリック』で駆け抜けていく。気分爽快、宮古島に隣接する来間島に架かる長い橋を渡った。

ホンダとソフトバンクが提携し、カレンスタイルが運営している二輪レンタル事業「宮古カレン」を体験している。3社によるオープニングセレモニーが3月5日、宮古東急ホテル&リゾーツ(沖縄県宮古島市)にておこなわれ、原付2種に乗れるバイク免許がある人は試乗もできたのだ。

今回の出発地点は宮古東急ホテル&リゾーツだったが、前日午後5時までにホームページで予約をしておけば、PCXエレクトリックを常設する3つのホテル、あるいは配車可能な4か所の宿泊施設のいずれかを選択可能。

1万2960円/日(消費税8%込み)の料金には、保険料や配車代、ヘルメットやグローブなどライディングウェア一式も含まれ、手ぶらで利用できる。

ペアライドもオススメ

宮古カレン PCXエレクトリック宮古カレン PCXエレクトリック
南の島で乗る電動バイクは、感動がより大きい。まず、音が静かで排出ガスゼロだから、環境に優しいのが乗っていて嬉しく誇らしい。島の人たちや観光客らの視線も、いつも以上に優しい気がする。

もし2人乗りなら、相手の声もよく聞こえて会話も弾むはず。PCXエレクトリックは珊瑚をモチーフにした専用グラフィックがあしらわれ、女性も気に入ってくれそうだ。トップケースが装着され背もたれも兼ねるので、タンデムが不慣れでも不安なくリアシートに乗ってもらえるだろう。

「操作するのは男性でも、選ぶのは女性ですからね」

出発前に話したカレンスタイルの松良文子代表取締役社長の言葉を思い出す。

バッテリー交換ステーションも体験の場

宮古カレン PCXエレクトリック宮古カレン PCXエレクトリック
バッテリー満充電での走行距離は41km(60km/h定地走行テスト値)。今回は程近い来間島へにしか行かなかったが、橋の架かる伊良部島、池間島もまわって帰ると走行距離は100km近くになり、バッテリーがもたない。

しかし、観光ルート上にバッテリー交換ステーションが16か所もあるから心配無用。家庭用100V電源からだと、ゼロから満充電にするのに6時間かかるが、“交換”としたことでスピーディに。バッテリー交換ステーションはオシャレなカフェであったり食堂、あるいはお土産屋なので、バッテリー交換での立ち寄りも楽しい体験となる。

本田技研工業株式会社二輪事業本部事業企画部の三原大樹 部長は、「カフェのコーヒーでホッとしたり、食堂で美味しいランチをいただいたり、お土産も見てきてください」と送り出してくれた。買い物で荷物が増えても、トップケースに積み込める。

コネクテッド機能で万全の体制

通信モジュール通信モジュール
楽しいアクティビティとして提供される「宮古カレン」では、ソフトバンクの移動体通信網につながる車載器(GPS付き通信モジュール)を搭載し、クラウドに常時接続されている。

未来のバイクを予感させる“コネクテッド機能”であり、これによって位置情報や車体状況はリアルタイムで送信され、万一の転倒や電池切れがあったときにはロードサービスが出動。ソフトバンク株式会社ITサービス開発本部CPS事業推進室室長 山口典男博士(システム情報科学)の「見守っています」という言葉が頼もしい。

ホテルに戻ると、PCXエレクトリックの開発責任者、本田技術研究所 三ツ川誠 主任研究員が、通常なら車体に内蔵され利用者の目に触れることのない車載器を見せてくれた。SIMが仕込まれ、絶えずインターネット接続されているわけで、これは「IoTバイク」と呼んでいい。

三原部長によると、走行データなど車体情報は「ホンダが開発する今後の電動モデルに役立てる」とのこと。宮古カレンは、ホンダとソフトバンクによる二輪車のコネクテッド機能を実用化した場でもあるのだ。

トロピカルアイランドでの電動バイク体験。松良社長は「移動手段のレンタルではなく、アクティビティ」だと言い切る。たしかに贅沢な遊びで、ライバルは水上バイクやスキューバーダイビングなのかもしれない。

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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