[カーオーディオ 用語解説]外部パワーアンプに関連した用語

パワーアンプの一例(ビーウィズ・P-1R)。
パワーアンプの一例(ビーウィズ・P-1R)。全 2 枚

カーオーディオに興味を持ちながらも、なんとなく難しそうだという理由で“壁”を感じている方々に向けて、その“壁”を取り除いていただくための『用語解説』をお届けしている。今回からは「パワーアンプ」に関連した用語の解説を進めていく。

01・「外部パワーアンプ」とは?

オーディオシステムには必ず、「パワーアンプ」が組み込まれることとなる。CDプレーヤー等がCD等の音源を読み取った段階では、その音楽信号はまだ微弱な状態だ。それをスピーカーを動かせるだけのレベルにまで増幅する必要があり、その役目を「パワーアンプ」が負うこととなる。「パワーアンプ」を用いなければスピーカーを鳴らすことができない、というわけなのだ。

それはいいとして…。ここで1つの疑問が生じる。「パワーアンプ」が必要であることは理解できるのだが、その言葉にわざわざ“外部”という名詞が付けられる理由な何なのだろうか…。

その答はズバリ、「通常のメインユニットには大抵パワーアンプが内蔵されているので、それと差別化するため」だ。

となると、また新たな疑問が生まれてくる。メインユニットにパワーアンプが内蔵されているのだから、「外部パワーアンプ」は必要ないのでは? そう感じる方もいるかもしれない。しかしながら、答は「ノー」だ。「外部パワーアンプ」は必要なのだ。

理由は単純明快だ。「内蔵パワーアンプの性能が物足りないから」だ。カーオーディオのメインユニットは通常、1DIN、もしくは2DINサイズとなっている。ホームオーディオのパワーアンプと比べるとかなり小さい。そのボディの中に収めなければならないという制約が足かせとなり、性能の確保が十分に行えないのだ。ハイエンドメインユニットのように高性能なパワーアンプが搭載されているケースもあるが、それでもパワーの部分では優秀な「外部パワーアンプ」と比べると分が悪い。

02・「外部パワーアンプ」を導入するメリットとは?

メインユニットに内蔵されているパワーアンプは「性能が物足りない」と説明したが、特に問題となるのは“出力値”だ。よく、“最大出力”とか“定格出力”という言葉を耳すると思うが、「内蔵パワーアンプ」はそれらの数値が高くない。つまりは“非力”なのである。

“非力”であることは、音楽再生においてすなわち不利となる。クルマのエンジンをイメージしてほしい。排気量の大きな(パワーの大きな)エンジンは、高速道路を走っているときでも安定感が高く、さらには急な加速が必要となってもスムーズにそれを実行できる。

「外部パワーアンプ」を使うと、それと同じような安定感が得られる。大きな音量で音楽を聴いても破綻せず、そして例えばバスドラムが鳴らされるそのときに、つまり瞬間的に大きな音を鳴らさなくてはならないときにも、余裕を持って対応できる。オーディオでは瞬間的にパワーが必要な局面が多々出現する。パワーに余裕があるかどうかは、高音質再生に与える影響が案外大きいのだ。

さらにはクルマのエンジンでは、“パワー”のみならず“トルク”があるかどうかも注目される。音楽再生においてもパワーアンプに“トルク”があるかどうかは音に効く。“トルク”を正確に推し量れるスペックはないが、力のある高性能なパワーアンプならば“トルク”も強い。結果、音に芯が入ってきたり厚みが増してくる。また、スピーカーの振動板を素速く動かし素速く止めることも可能になる。「外部パワーアンプ」を使うといいことずくめ、なのである、

03・「ハイレベルインプット」とは?

ところで、「外部パワーアンプ」を吟味すべくカタログを見ていると、「ハイレベルインプット」という言葉を度々目にする。昨今のパワーアンプには、これが搭載されるケースが増えてきている。さて、これは一体何なのだろうか。

まず「ハイレベルインプット」が必要ないケースから解説していこう。パワーアンプは、微弱な音楽信号を増幅するためのユニットだと説明した。なので基本的には、メインユニットのライン出力端子(外部出力端子)と「外部パワーアンプ」のライン入力端子とをケーブルで接続して使うことになる。ところが…。メインユニットの中には、ライン出力を備えていない機種もある。特に、純正メインユニットはその傾向が強い。システムを発展させる前提に立っていないからだ。

しかし、純正メインユニットに内蔵されたパワーアンプで増幅された音楽信号のクオリティに納得できない場合は、どうすればいいのだろうか…。

そんなときに力を発揮するのがこの「ハイレベルインプット」だ。この入力端子を活用すると、内蔵パワーアンプで増幅された後の信号を「外部パワーアンプ」内に取り込めるようになる。パワーアンプ内で一旦その信号を微弱な状態へと戻し、改めてその「外部パワーアンプ」の内部で増幅をやり直すのだ。

このような経過を踏んでも、音楽の聴こえ方は良化する。「外部パワーアンプ」を使うことのメリットは大いに発揮されることとなる。そのモデルならではの性能をいかんなく味わえるのだ。

今回の解説は以上で終了だ。次回も「外部パワーアンプ」に関する用語の解説を続行する。お楽しみに。

カーオーディオをもっと身近に感じるための、『ザ・用語解説!』 Part13 「外部パワーアンプ」編 l

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  3. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  4. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  5. VW『ゴルフGTI』50年の歴史で最強、325馬力の「EDITION 50」発表
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  3. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
  4. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  5. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
ランキングをもっと見る