【JNCC 第1戦】馬場大貴、悲願のビッグタイトル---新たな風

【JNCC 第1戦】馬場大貴、悲願のビッグタイトル---新たな風
【JNCC 第1戦】馬場大貴、悲願のビッグタイトル---新たな風全 32 枚

2019年も、360台オーバーの参加者を集めて前年を上回り、いいスタートを切ることができたJNCC。例年通り河内長野の街を望む、大阪府プラザ阪下での開幕となった。

昨年までは、GNCC帰りの小池田武がぬきんでたスピードを持ち込み、これに果敢に挑戦していくライダー達といった構図だったものの、今年になって小池田はフル参戦をとりやめており、この開幕にも姿を見せていない。ディフェンディングチャンピオンたる渡辺学、そしてXC界を牽引してきた鈴木健二の2強に絞られたトップ争いになるのではないかとの見方が優勢だ。

渡辺、鈴木に立ち向かうライダー達も、しかしこの阪下に策を講じてきた。小林雅裕は約20年ぶりという2ストロークのGASGASに乗り換え、トップカテゴリーAAのルーキー陣馬匠はBetaへ。また、鈴木健二は新型のYZ250Fに乗り換えている。また、馬場大貴がホンダからYZ250X(ヤマハ)へ。本人曰く「乗りたいモノに乗ろうと思って」とのこと。

スタートで飛び出したのは、ホールショット男の石戸谷蓮。しかし、すぐに渡辺学がトップへ立ち、トップ集団を形成していく。早めに2番手へつけたのは、田中教世。鈴木は出遅れたものの、オープニングラップ中には3番手へ浮上。集団における捌きの巧さを見せつけた。

トップ陣の行方を阻んだのは、阪下名物でもある丸太だ。高さこそいつもより低いように見えるが、組み方の妙で難易度が相当上がっているうえ、雨の影響で特にスリッピーになっていた。最もめだつ1周目では、トップ渡辺らも足下を掬われるほど。

そうこうしているうちに、気を吐き始めたのは馬場だった。ペースを上げて上位へ食い込んできたと思いきや、いつのまにかトップの渡辺に追いすがる馬場。渡辺は言う。「丸太のセクションで、大貴はミスしてコースアウトしてしまい、そのまま丸太をカットしてしまったのを見た。あれで失格になったか、トップ争いには絡まないものと思い込んでしまったんだよね」と。馬場は、その後そのミスに関して20秒ストップのペナルティを食らってしまうが、26歳の若さこそなせるワザか、ものともせずグイグイ巻き返しを図る。

結果、数周でトップを奪い返した馬場が、ラストラップまでペースを落とすことなく攻め続け、初優勝。「練習をしっかりしていきたのがよかったのだと思うんだけど、実際はここまで行けるとは思ってなかったですね。ペースもいつもどおりなイメージでした」と馬場はコメント。プラザ阪下はモトクロス経験者にあるていど有利なレイアウトではあるものの、突如としてあらわれた新星にJNCC界隈は大いに沸いている。これまでとは違ったシーズンになりそうな気配に、大いに期待が持てるのであった。

《稲垣 正倫》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【日産 ルークス 新型】「ルークスはパイクカー」開発デザイナーが立ち返った“軽ならではのデザイン”とは
  2. 「本当に世に出るとは」わずか1トンの車体に800馬力V12を搭載、「超アナログ」なスーパーカーにSNS沸く
  3. 日産『リーフ』新型、米国EV最安値の約440万円から…今秋発売へ
  4. 「アルパインスタイル仙台R4」がグランドオープン、待望の仙台エリアへ出店
  5. 三菱『デリカミニ』がフルモデルチェンジ!「やんちゃ坊主」感アップ、走りも三菱らしく進化
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る