【BMW 3シリーズ 新型試乗】「走りのため」の全幅拡大をどう判断するか…森口将之

BMW 3シリーズ 新型(330i Mスポーツ)
BMW 3シリーズ 新型(330i Mスポーツ)全 12 枚

『3シリーズ』に関わる人たちは本当に大変だと思う。累計生産台数1500万台以上だから外しは許されないけれど、守りに入ることもできない。ドイツBMWのデザイナー永島譲二氏も「3シリーズは難しい」と口にしていた。

しかも日本は3シリーズをスポーツセダンではなくプレミアムセダンと考える人が多い、世界的にも独特な市場だそうだ。その声に応えて新型にはキドニーグリル内部に、停車中に中が見えないようシャッターが装備され、インテリアでは他国向けにはアナログメーターもある中、デジタルディスプレイが全車標準になった。

そのメーターはデジタルなのに丸というありふれた表現にせず、全体で六角形を描き、同じモチーフをエアコンのルーバーやドアハンドルにも反映していて、統一感のある仕立てに好感を抱いた。

ところがそのボディ、過去2世代ではドアハンドルを日本専用としてまで全幅1800mmを守ったのに、新型は1825mm。理由は居住性拡大のためのホイールベースの40mm延長でハンドリングに間延び感が出ないよう、トレッドを拡大したためとのこと。

BMW 3シリーズ 新型(330i Mスポーツ)BMW 3シリーズ 新型(330i Mスポーツ)

たしかに前輪の踏ん張り感は信頼が置けるもので、後輪駆動ならではの挙動を安心して楽しめる。乗り心地が硬めなのは試乗車が「Mスポーツ」だったせいもあるだろう。2リットルターボエンジンが4気筒とは思えぬほど滑らかな吹け上がりと音だったことも旧型からの進化だった。

いずれにしても新型の評価は、走りのための全幅拡大をどう判断するかに掛かってきそうだ。個人的には日本専用で用意される「320i」の乗り心地に期待したい。

BMW 3シリーズ 新型(330i Mスポーツ)BMW 3シリーズ 新型(330i Mスポーツ)

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★

森口将之|モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト
1962年東京都生まれ。自動車専門誌の編集部を経て1993年に独立。雑誌、インターネット、ラジオなどで活動。ヨーロッパ車、なかでもフランス車を得 意とし、カテゴリーではコンパクトカーや商用車など生活に根づいた車種を好む。趣味の乗り物である旧車の解説や試乗も多く担当する。また自動車以外の交通 事情やまちづくりなども精力的に取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。グッドデザイン賞審査委員。

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《森口将之》

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