“エコタイヤ”を“サーキット”で試す!? ハイパフォーマンス・エコタイヤ「EcoContact 6 (エコ・コンタクト 6)」の実力はいかに…

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コンチネンタル エココンタクト6(EcoContact 6)サーキット走行
コンチネンタル エココンタクト6(EcoContact 6)サーキット走行全 32 枚

タイヤ性能をより読み取れる車両をチョイス!

コンチネンタル エココンタクト6(EcoContact 6)コンチネンタル エココンタクト6(EcoContact 6)
テスト車にVW『e-ゴルフ』を選んだのは、モーター走行による走行中の静粛性が高いため、タイヤの音や振動を感じ取りやすい事。動力を遮断して空走するコースティングモードが頻繁に行なわれるため、転がり抵抗などの感触が確認しやすい事。もちろんゴルフ特有の高速ハンドリング性能が高い事も含めて、特にエコタイヤのテストには打ってつけだと思ったからである。

別の見方をすれば、タイヤの特性が露呈するため、あるいは粗探しにもつながる”意図的”なテスト車種選定とも言える。

市街地走行の第一印象は「本当にエコタイヤか!?」

コンチネンタル エココンタクト6(EcoContact 6)市街地走行コンチネンタル エココンタクト6(EcoContact 6)市街地走行
e-ゴルフの純正装着タイヤから、コンチネンタルタイヤの『EcoContact 6』(以下EC6)に履き替えた市街地走行の第一印象は、これが本当にエコタイヤか!? と思うほど路面との当りがソフトで滑らかな接地感の乗り味の違いに驚く。純正はコツコツと細かなハーシュネス(突き上げ)が感じられたから、なおさら。

燃費を重視する、つまり転がり抵抗を低減するエコタイヤは、タイヤの変形によるエネルギーロスを抑えるため硬く締まった感が強い。路面からの入力に対して硬い手応えや硬い乗り味を感じさせるモノがほとんどだ。が、EC6のそれはまるでコンフォート系タイヤのように振動の減衰性に優れている。

さらに音に関して、純正はゴー音(160Hz付近)、シュー音(800Hz~1kHz)雑音の類と、突起の乗り越え時のハーシュネスの音が後輪からダイレクトに室内に入り込む。EC6に交換すると、そこが変化している事に気がつく。音質が滑らかな耳触りではないものに変わり、振動も減衰されて微振動に変わる。

一般公道を走り始めた最初の印象がこうだが、舗装の荒れ、剥がれ、補修跡を通過しても、やはり滑らかに包み込む柔軟性を示す。

EC6の特長は、従来の『ContiEcoContact 5 (コンチ・エコ・コンタクト5)』(以下CEC5)を100%としてタイヤの性能チャートを比較すると、ウエットブレーキ性能106%、転がり抵抗の低減115%、ハンドリング117%の確かさ、耐摩耗性120%、EC6が上回るという。項目は他に静粛性100%で変化なし、ドライブレーキング102%が進化した。

"欧州生まれ”の高速域性能をサーキットで試す!

桂 伸一氏桂 伸一氏
それらの特性とともに、欧州生まれらしい高速性能がどうなのか、この柔軟性はどこまで継続されるのか、破綻するのかを確認するため本誌「レスポンス」のホームとも言える「袖ケ浦フォレストレースウエイ」に向かう。

e-ゴルフはDレンジでアクセルを戻すと、いわゆるエンジンブレーキと同様の減速感になる回生ブレーキにはならず、モーター駆動をカットした空走のコースティングモードに入る。

因みに回生ブレーキを聞かせる場合はDからもう一段下のBモードに入れると、アクセルOFFで回生ブレーキによる減速がある。さらにシフトレバーの左右操作で回生力が1(弱い)~3(強い)段階まで調整可能。

話を戻して、通常そのDレンジのコースティングモードは、いわゆる惰性走行なので速度はゆるやかに下降するものだ。が、EC6はコースティングに切り替わった瞬間に加速したのでは? と錯覚するほど無抵抗に、まるで下り坂で速度を増すかのような感覚でサーッと転がり、それが転がり抵抗の少なさかと想像できる。

コースティングモードではタイヤの回転ムラもなければ回転バランスも良く、まさに真円に造られている事が手応えと身体で感じられる。

e-ゴルフそのものが駆動部、回転部分のロス、抵抗を排除して造られている事の相乗効果だが、この動力をまったく使わない空走できる距離が、つまり燃費に貢献しECOにつながる。

ウェット路面でも粘り強くグリップ

コンチネンタル エココンタクト6(EcoContact 6)ウェット路面コンチネンタル エココンタクト6(EcoContact 6)ウェット路面
好天に恵まれたこの日、ウエットブレーキ性能を確認するため散水によるウエット路面を造るしか方法はなかった。幸い“フォレスト”はサーキットだが路面の摩擦係数(ミュー)が一般公道と変わらない舗装で造られている。それがクルマもタイヤの評価にも好都合で、我々はここを選ぶ。

結果から言うと、水膜がよほど深くない限り、濡れている程度ではブレーキ性能は踏力に対して粘つくように良く止まる。これは従来のEC5も優れていた点で、性能向上分は6%。

パイロンを立てたウエットのパイロンスラロームも確認したが、身を捩るようにロールからロールへ転じながら、つまりグリップしたままパイロンを交わして行く。この驚くべき運動性とグリップ力はサーキット走行でどう作用するのか興味津々。

エコタイヤで「100km/h」オーバーの世界へ……

コンチネンタル エココンタクト6(EcoContact 6)サーキット走行コンチネンタル エココンタクト6(EcoContact 6)サーキット走行
もちろん、誰もこのEC6でサーキット走行を行なわない事は重々承知している。しかし速度無制限の道路が現存するドイツ生まれである。その特性を確認するには100km/hオーバーの世界でどうか、であるから速度規制に無関係で、しかも路面の摩擦係数が一般公道と同じ”フォレスト”でテスト走行する意味がある。

e-ゴルフの”フォレスト”での最高速は150km/hほど。その速度域でレーンチェンジを想定した急ハンドルを切ると、確かな応答性で曲がり、変化後の姿勢の戻りと安定性は、e-ゴルフとの相性の良さを示している。

ここでも路面からの手応えの伝わり方、タイヤの撓みや変形の感触はソフトで滑らかな印象なのだが?! 実は撓みや変形こそ抑え込まれた事がコンチネンタルの技術力で、EC6はもちろん腰砕けにならず、そうした操作を加えた直後に急停車してタイヤをチェックしても、タイヤのショルダーまで接地した形跡はない。

コーナーにあえてオーバースピードで進入する。車輌が不安定になる要素として、コーナーに進入しながら大舵角を与えた状態でのブレーキング、いわゆる旋回ブレーキを行なう。

前輪は路面に纏わり着くようにグリップして曲がり、後輪はわずかに外側にスライドするがそこでグリップを回復して挙動は安定姿勢に戻る!! およそECOという文字から想像するタイヤの特性から大きく外れている運動性能の高さである。筆者が知る限り、こうしたECOタイヤは過去に経験がない。コンチネンタル自らエコタイヤにも関わらず「ハイパフォーマンス」と言い切る実力の意味はこういう事か、と思う。

路面を確実に捉えるのはゴムそのものだ。「ミクロの世界」の話しなので、見たワケではないが、ゴムに柔軟性を与えるシリカの含有量を高め、それを効率良くゴムに分布、混ぜ合わせるための添加剤に企業秘密があるそのコンパウンドを「グリーンチリ2.0」と呼ぶ。その技術からタイヤ接地面が路面の凹凸に柔軟に入り込み、タイヤ本体の剛性は高くエネルギーロスにつながる無駄な動きがない。ということがエコタイヤの基本と柔軟なグリップ力を感じさせるハンドリングに貢献している。

これぞ「ハイパフォーマンス・エコタイヤ」

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EC6でもっとも強く感じられた事は、純正装着タイヤよりも、ロードノイズ、パターンノイズが圧倒的に抑えられ、耳にやさしい軽い音に変わる点。特に後輪から室内に入るノイズと振動の低減は明らかに変化した。もっとも進化した耐摩耗性だが、これは一度のテスト試乗では確認できず。だがそれも従来のEC5に対して性能チャート上最大の向上を示しているので信頼できる。

注目は厳格な欧州のタイヤラベリング制度で、ウエットブレーキ性能、転がり抵抗がともに最高グレードのA/Aを獲得。日本市場にリリースされる31サイズのうち、13サイズがこのA/Aの評価を受けている。

EC6はエコタイヤでありながら、ウエットブレーキ性能、転がり抵抗と耐摩耗性の向上と言う相反する3つの性能を同時に引き上げた。

「ハイパフォーマンス・エコタイヤ」とメーカーが声を大にする、その衝撃に近い性能は、乗れば誰もが味わえるハズである!!

コンチネンタル EcoContact 6 詳細はこちら

桂 伸一氏桂 伸一氏
桂 伸一|モータージャーナリスト/レーシングドライバー
1982年より自動車雑誌編集部にてレポーター活動を開始。幼少期から憧れだったレース活動を編集部時代に開始、「走れて」「書ける」はもちろんのこと、 読者目線で見た誰にでも判りやすいレポートを心掛けている。レーサーとしての活動は自動車開発の聖地、ニュルブルクリンク24時間レースにアストンマー ティン・ワークスから参戦。08年クラス優勝、09年クラス2位。11年クラス5位、13年は世界初の水素/ガソリンハイブリッドでクラス優勝。15年は、限定100台のGT12で出場するも初のリタイア。と、年一レーサー業も続行中。

《桂伸一》

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