新生グンペルト、燃料電池スーパーカー『ナタリー』発表…ジュネーブモーターショー2019

ローラント・グンペルト氏が中国企業と共同で新会社グンペルト・アイウェイズを設立

4モーターで0~100km/h加速は2.5秒、最高速は300km/h

燃料電池には水素ではなく、水とメタノールの混合液を使用する

グンペルト・ナタリー(ジュネーブモーターショー2019)
グンペルト・ナタリー(ジュネーブモーターショー2019)全 10 枚

ローラント・グンペルト氏と中国のアイウェイズ社が立ち上げたグンペルト・アイウェイズは、ジュネーブモーターショー2019において、グンペルト『ナタリー』(Gumpert Nathalie)を初公開した。

グンペルト社は2004年1月、元アウディのモータースポーツ部門統括責任者、ローラント・グンペルト氏がドイツに設立した。2004年、オリジナルスポーツカーの『アポロ』を発表する。アポロは、宇宙船をイメージしたという独特のフォルムが特徴。その進化形の『アポロスポーツ』は、ニュルブルクリンク北コースにおいて、7分11秒57というラップタイムを記録している。

ローラント・グンペルト氏が中国企業と共同で新会社グンペルト・アイウェイズを設立

しかし2012年8月末、グンペルト社は世界的な経済情勢の悪化による販売不振を理由に、破産を申請し、経営破綻した。その後、2012年11月の破産手続き開始を経て、新たな出資者による新体制で事業を再開する。

グンペルト社は2016年、社名を「アポロ・オートモビル」に変更した。しかしローラント・グンペルト氏は同社を去り、中国のアイウェイズ社とグンペルト・アイウェイズを設立する。そして、グンペルト・アイウェイズが、ジュネーブモーターショー2019で初公開したのが、グンペルト『ナタリー』だ。車名のナタリーとは、ローラント・グンペルト氏の娘の名前に由来している。

4モーターで0~100km/h加速は2.5秒、最高速は300km/h

グンペルト ナタリーは、燃料電池パワートレインを搭載するスーパーカーだ。ボッシュ製の「SMG180」モーターは、前後アクスルにそれぞれ2個、合計で4個搭載される。モーター1個のスペックは、最大出力が139hp、最大トルクが23.5kgm。モーターは1分間あたり、最大1万2800rpmで回転する。

トランスミッションは2速で、前後アクスルにそれぞれ搭載される。およそ160kmで、トランスミッションは自動的にセカンドギアにシフトする。電子制御システムがシフト操作をモニターし、途切れることにない加速性能を追求した。4個のモーターの強大なパワーにより、ナタリーは0~100km/h加速2.5秒、最高速300km/hという優れたパフォーマンスを可能にする。

燃料電池には水素ではなく、水とメタノールの混合液を使用する

グンペルト ナタリーの燃料電池には、水素を使用しない。水とメタノールを混合したものを使用する。同社によると、水素は揮発性で引火しやすいが、水とメタノールの混合液は揮発性が低く、取り扱いに優れるという長所があるという。

ナタリーでは、メタノールと水を6対4の割合で混合した液体4.5リットルを使用する。燃料電池の出力は5kWh。バッテリーの蓄電容量はおよそ60kWh。80km/hの定速走行で、最大850kmの航続を実現するという。

ブレーキシステムには、ABSやESP、iブースターを統合する。ブレーキ時に最大のエネルギーが回収できるようにした。モーターが油圧ブレーキシステムを滑らかに作動させて、減速を行う。

2ドアクーペボディのナタリーは、前後重量配分が48対52と、理想的なバランスを追求した。インテリアには、ドライバー重視のデザイン。「Car-to-X」インフォメーションシステム、ナビゲーションのルートアシスト、推奨コーナリングスピード表示システム、Gディスプレイ、燃料電池パワートレインのステータスモニターなどが装備されている。

《森脇稔》

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