【BMW X7 新型 海外試乗】BMWの走りが担保できるのはここまでかもしれない…九島辰也

BMW X7 xDrive40i 新型
BMW X7 xDrive40i 新型全 44 枚

Xシリーズもついに「7」へ

去る2月27日、日本で発売開始がアナウンスされた新型『X5』。製品自体の発表は昨年6月、そして9月のパリオートサロンでワールドプレミアされ、ヨーロッパでは11月から売られている。特徴は新世代の大型キドニーグリルと4輪アダプティブエアサスペンション。大型SUVとしてさらなる進化を遂げた。

BMW X7 xDrive40i 新型BMW X7 xDrive40i 新型なんて思っていたら、その上が追いかけるように追加された。今回アメリカでステアリングを握った『X7』である。『X1』『X2』『X3』……と続くXシリーズだが、ついに7までカウントアップされるようになった。数字からも変わるように、セダンで言うところの『7シリーズ』に匹敵する。ライバルはメルセデス・ベンツ『GLS』それとレンジローバー。きっとアウディ『Q8』もそうなることだろう。

開発のスタートは約3年前で、X5チームとは別に組織された。もちろん、パワートレーンなど共有する部分はあるものの、性格は別と考えたからだ。それをひと言で表現すると、「X5はスポーティ、X7は快適性」が重要視した。X7はロングドライブをどれだけ快適に過ごせるかがポイントとなる。なので、70%のパーツはオリジナル。2.5トンに迫る全長5mオーバーのボディを支えるエアサスペンションのセッティングは別モノだ。

700キロに及ぶロングドライブで感じたポイント

BMW X7 xDrive40i 新型BMW X7 xDrive40i 新型メディア向け国際試乗会はメキシコとの国境の町エルパソをスタートした。ゴールはアリゾナ州都フェニックス。テキサス州からニューメキシコ州を渡ってのアリゾナ州入りである。距離にしておよそ700キロのロングドライブだ。

クルマはxDrive40i。3リットル直6のガソリンターボで、最高出力は340psを発揮する。エンジンのフィーリングはいつもどおり。と言うか、これだけのボディを軽々と加速させるのだから驚いた。3リットルという排気量のイメージ以上に力強く、頼もしい。ただ、聞くところによると日本仕様はディーゼルエンジンのみとか。確かに大型SUVとディーゼルエンジンの親和性が高いのは言わずもがな。この選択は悪くない。が、今回のこの走りが良かっただけに少し残念でもある。

それはともかく、このクルマの褒めるべきところはやはり快適な乗り心地である。高速道路でのフラットライド、コーナーでのロールを抑えた自然な身のこなしはかなりの上級テク。ドライバーに大きなクルマを動かすストレスを感じさせない。ランフラットタイヤでこの乗り味は素晴らしい。ワインディングや駐車スペースでもそう。リアステアが効いてクルマを小さく感じさせる。

キャビンの中は2/2/2と2/3/2の2種類のシートアレンジが用意される。一瞬だけ3列目に座ってみたら思いのほかスペースがあったことに驚いた。視界が広くルーフライナーまでの距離もあった。肘置きは大きく高さもいい。

BMWの走りを担保できる限界サイズ

BMW X7 xDrive40i 新型BMW X7 xDrive40i 新型ただ、メインとなるアメリカにはこれをストレッチしたモデルがある。キャデラック『エスカレード』とリンカーン『ナビゲーター』だ。その辺のことを開発者に伺うと、今後つくるかどうかは定かではないと答えた。でも、このサイズがBMWとして限界でもあると。確かにそうだろう。BMWの走りが担保できるのはここまでかもしれない。

といったのがX7のファーストインプレッション。快適で高級感があって、しかもなかなかの存在感。日本では高級ホテルの送迎用にいいかも。導入は今年夏。プレオーダー開始中なので興味ある方はディーラーへどうぞ。

■5つ星評価

パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ:★★★★

BMW X7 xDrive40i 新型BMW X7 xDrive40i 新型九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身。

《九島辰也》

九島辰也

九島辰也|モータージャーナリスト 外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。東京・自由が丘出身。

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