桜咲く渡良瀬で“熱い”空中戦…熱気球ホンダグランプリ2019が開幕

熱気球ホンダグランプリ2019が開幕。朝一番、オフィシャルバルーンが展張された。
熱気球ホンダグランプリ2019が開幕。朝一番、オフィシャルバルーンが展張された。全 15 枚

4月5日金曜日、ホンダが冠スポンサーとなっている熱気球のシーズンタイトル戦「熱気球ホンダグランプリ2019」が開幕した。第1戦は栃木、群馬、埼玉の3県が入り組む渡良瀬遊水地を舞台に行われる「渡良瀬バルーンレース」。

かつて世界ランキング1位の座にあった名選手、ニック・ドナー氏を含め、31チームの熱気球が離陸OKの緑フラッグが上がると同時にインフレート。離陸の先陣を切ったのは昨年のシリーズタイトルホルダーで現在世界ランキング6位の藤田雄大選手。それを見た各チームは一気にバーナーを焚き、ほぼ一斉に離陸した。

渡良瀬バルーンレースはここ数年天候に恵まれなかったが、今年の初日は良好な視程と適度な風速という好コンディション。午前のフライトのタスクは2つのジャッジデクレアドゴール(大会本部が指定したゴールに向かって飛行し、できるだけ近いところにマーカーを落とす)、フライオン(この日の場合、ジャッジデクレアドゴールに落としたマーカーに次の目標地点を書き込んでおき、その目標地点にできるだけ近いところにマーカーを落とす)、ランドラン(マーカーを競技空域内に3つ落とし、その三角形の面積の大きさを競う)の4つ。

競技の様子を空中から見たところ、一発目のジャッジデクレアドゴールはかなりの接戦で、地上に描かれた×印のゴール上を捉えたマーカーがいくつもあり、その他もかなり近いところに落とされたものが多かった。だが、日の出から間もない頃は安定していた風も、気温の上昇にともなって乱れ始める。

2番目のジャッジデクレアドゴールに向かう熱気球群は、1番目のときよりばらけていた。まさに時間との戦いで、1つのタスクに固執しすぎると次が苦しくなるのだ。先を見越して「このタスクはトップではなくともこのくらい取れればいい」と見切る判断も必要になるあたりは、陸上競技の男子十種競技、女子七種競技にも似ている。

空中の熱い戦いの一方で、地上は七部咲きの桜と満開の菜の花でいっぱい。朝は気温5度以下に冷え込んだが昼間は20度を超え、桜の咲きっぷりも朝と昼では明らかに違っていた。6日には満開になるかもしれない。折りしも6日、7日は大会本会場で「ふじおか桜まつり」が同時開催される。6日夜には熱気球のバーナーオンの光と花火のページェント「バルーンイリュージョン」も行われる。春の休日に熱気球レース観戦と花見の一挙両得を狙ったドライブというのも、なかなかオツなものではないだろうか。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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