ロードスター30周年記念車、実はワールドプレミアだった!? 主査インタビュー …オートモビルカウンシル2019

マツダブース(オートモビルカウンシル2019)
マツダブース(オートモビルカウンシル2019)全 36 枚

オートモビルカウンシル2019のメーカーブースで存在感を放っていたのはマツダだ。3月のシカゴオートショーでワールドプレミアとなった「ロードスター 30周年記念車」とロードスター限定モデルのルーツである「クラブレーサー」の前で大々的なプレスカンファレンスが行われた。

【画像全36枚】

プレスカンファレンスでは、30周年記念車の国内発売予約開始が発表された。発表を終えたロードスター開発主査兼チーフデザイナーの中山雅氏に、あらためて30周年記念車の思い、オートモビルカウンシルへの意気込みなどを聞いた。

初めて日本にやってきた「クラブレーサー」

----:30周年記念モデルの国内販売が正式にスタートしました。シカゴでワールドプレミアしていますが、日本での発表を終えての感想などお聞かせください。

中山氏:おかげさまで北米では、予約開始から4時間という早さで予定数を完売することができました。日本での予約は始まったばかりでまだ状況はわかりませんが、プレスカンファレンスのあとに「ぜったい予約を入れます」というオーナーの声もいただいており、非常にありがたいなと思っています。

----:オートモビルカウンシルでの国内発表というのはなにか狙いがあってのことですか。

中山:いえ。タイミングの問題というか、オートモビルカウンシルとは不思議な縁があるようです。ロードスターの開発主査に任命されたのが2016年の7月なんですが、その年のカウンシルは8月開催だったのです。普通は主査交代でお披露目などしないのですが、8月のオートモビルカウンシルのプレスカンファレンスで、主査交代が発表され、前任の山本(編集部註:山本修弘氏)から紹介される形で新任の挨拶を行わせてもらいました。今年は4月開催なので、30周年記念モデルの国内発表を、このオートモビルカウンシルで行うことができました。

----:あらためてオートモビルカウンシルでの注目ポイントなどを教えてください。

中山:やはり30周年記念モデルの実車ですね。日本仕様の限定モデルなので、シカゴショーの車両とも違っています。その意味では、本邦発だけでなくワールドプレミアといっていいモデルです。それと、初代ロードスターの限定モデルであるイエローのクラブレーサーですね。これも日本上陸は初めてとなります。

ロードスターのソフトトップは北米は2リットルエンジンに17インチのホイールという仕様ですが、日本仕様は1.5リットルエンジンに16インチです。ブレーキは同じブレンボ(フロント)のキャリパーなんですが、16インチでブレンボのキャリパーが入るホイールはありません。レイズさんにお願いして特別に作ってもらったもので、世界中でも日本モデルにしかない設定です。

クラブレーサーは普段はアメリカで大事に保存されているもので、これまで日本に来たことはありません。残念ながら触ることはできませんが、間近で見ることはできます。

あとは、オーナーからお借りして展示している20周年記念モデルやその他の限定モデルも展示させてもらっています。60歳の女性が還暦のお祝いに購入した赤い初代ロードスターもあります。

マツダは昔から「コトづくり」

----:マツダはロードスターのレストアにも力を入れていますよね。

中山:はい。オートモビルカウンシルはクラシックカーや旧車を見て楽しむだけでなく、実際に購入することもできるイベントです。マツダにとって売買が可能ということは、乗って走れる車ということです。古い車のレストアプロジェクトはマツダの伝統である「コトづくり」のひとつでもあります。

たとえば、スイスの時計メーカーであるIWCは、100年前の1号機の部品をいまでも保存しているそうです。モノを作って売るだけではなく、それをケアし続けるというのは作り手の責任でもあるわけで、マツダブランドの価値のひとつだと思っています。

----:工業製品を長期にわたってサポートするのは難しいと思いますが、ブランド戦略としても意味のあることなのでしょうか?

中山:採算度外視といえば聞こえはいいですが、赤字続きでは継続できません。実際にパーツを復刻させたり、廃盤予定の部品を存続させたりすることで、市場が活性化する面もあります。廃番部品は、在庫やレストア品だけだと値段が高くなり、古い車の維持がよけいに難しくなりますが、それを抑えることで、レストアや部品流通が活発化しています。

----:消費財として買ってもらってなんぼ、ジャストインタイム命のメーカーとしては、むしろ逆行しているようにみえますが、ユーザーからすればありがたいですね。

中山:マツダはそういったファンに支えられているメーカーだと思っています。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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