京セラ社長、「スマホの落ち込み分を5Gの基地局とADAS向けの部品でカバーしたい」

京セラの谷本秀夫社長
京セラの谷本秀夫社長全 2 枚

京セラの谷本秀夫社長は4月26日、都内で行った2019年3月期決算説明会で、次世代通信規格の5G基地局と先進運転支援システム(ADAS)向けの部品需要が伸びると見て、さらに力を入れて収益の拡大を目指す考えを示した。

同社の19年3月期業績は売上高が1兆6237億円(前期比3.0%増)、営業利益9482億円(同4.5%増)、純利益1032億円(同30.4%増)と増収増益を達成し、売上高は2期連続で過去最高を更新した。しかし、セグメント別の収益は明暗が大きく分かれた。

産業・自動車用部品は前期に比べて9.3%の増収、22.5%の増益、コンデンサーなどの電子デバイスも19.6%の増収、43.5%の増益だったのに対し、スマートフォンの半導体関連部品は3.1%の減収、64.8%の減益で、ソーラーパネルの生活・環境に至っては赤字という結果だった。

「スマホの部品関係は、5Gの入れ替え時期に来ているのと機能的にもかなり限界のところまできたことで、今期もあまりいい状況にない。しかし、5Gの基地局向けのコンデンサーなどの部品とクルマの自動運転関係に向けたADASの部品が今期も堅調に推移すると思う。この2つでスマホの落ち込み分をカバーしたい」と谷本社長は話す。

特に自動車関連では、車載カメラのレンズを内製しているという強みを活かし、広視野の車載カメラとか、視野を絞れる車載カメラなど自動車メーカーのニーズに合わせた展開を考えているそうだ。また、ディスプレイについても、高機能なヘッドアップディスプレイなど特殊な用途で需要を伸ばしていく計画だ。

一方、スマホ本体については、前期なんとか黒字化を果たしたが、この状態がしばらく続くと見ている。そのため、5Gが本格展開したときに、対応機種を投入するかどうかは不透明とのことだ。もしかしたら、スマホ本体からの撤退もあるかもしれない。

2020年3月期の業績予想は、売上高1兆7000億円(前期比4.7%増)、営業利益1400億円(同47.6%増)、純利益1250億円(同21.1%増)と増収、2ケタの増益を見込む。

《山田清志》

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