スバル中村社長、3期連続の減益も「稼ぐ力は落ちていない」

スバル 中村知美 社長
スバル 中村知美 社長全 6 枚

SUBARU(スバル)が5月10日に発表した2019年3月期連結業績は検査不正や不具合部品発生に伴う操業停止の影響に加え、品質関連費用が大きく膨らんだことで7期ぶりの減収、3期連続の営業減益を余儀なくされた。

しかしスバルの中村知美社長は同日都内で開いた決算説明会で、主力のアメリカ市場での販売が好調に推移していることや、国内販売も下げ止まりの兆しを見せていることから「スバルの稼ぐ力は落ちていない」と強調した。

中村社長は「品質最優先で生産、完成検査の実施を確実なものとするために現在も、群馬製作所において操業条件の見直しを継続していること、加えて今年1月に発生した電動パワステ部品の不具合による群馬製作所の操業停止の影響が非常に大きかった。営業利益については販売台数の減少に加えて、リコールを主因とした品質関連費用の大幅な増加によって前年度比で大きな減益という結果になった」と、2019年3月期業績が減収減益となった背景を説明。

一方で「我々の重点市場である米国の販売は非常に堅調に推移している。全需は弱含みで推移しているが、その中でも順調に販売台数、またマーケットシェアを伸ばしている状況にある。これは2018年夏に米国市場に投入した新型車の『アセント』が5万5000台の販売を記録し、当初の我々の計画を上回る実績を残してくれたことが、2019年3月期の収益にも貢献している。市場シェアについても4%近くまで伸ばすことができている」とも指摘。

その上で「そういう意味で重点市場での好調の維持が大きな力となっている。言い換えると我々のスバルの稼ぐ力はい落ちていないと捉えている」と述べた。

さらに「一連の完成検査問題で最も影響を大きく受けた国内市場も、登録車の受注が今年1月から3月は3か月連続で1万台を確保することができており、徐々にではあるが回復の兆しが見えてきているのではないか」とも付け加えた。

また同時に公表した2020年3月期業績予想は、米国での販売増加に加えて国内販売の回復、さらには品質関連費用も減少することから、増収増益を見込んでいる。

中村社長は「連結販売台数、売り上げ、各段階での利益ともに前期を上回る計画。製造、検査部門での組織風土改革が定着することを始め、様々な改革がしっかりとなされるまでは現状の操業状況を維持したいと今期も考えている」としながらも、「検査設備の増強工事が完了し、また十分な習熟期間をとって、またトライアルもしっかり行って、経営として操業条件を戻しても確実で正確な検査ができるという判断が下せれば、下期以降のいずれかのタイミングで、現在落としている操業条件の一部を元に戻したいと考えている。今期の計画にはその考えが織り込んである」と述べ、後半からの操業回復に自信を示した。

《小松哲也》

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