米サイプレス、CASEに向けて車載半導体で攻勢…毎年8~12%の成長目指す

サイプレスのMCUを搭載したクラスター
サイプレスのMCUを搭載したクラスター全 4 枚

米サイプレス・セミコンダクタは5月14日、車載半導体についてのメディア説明会を開催するとともに製品群を披露。車載向け組み込みシステムのリーディングプロバイダーを目指し、攻勢をかけていくという。

「車載向け半導体の市場は毎年5%ほどの成長が見込まれるが、サイプレスはそれを上回る8~12%の成長を目指す」と自動車事業部プロダクトマーケティング担当ディレクターの楠本正善氏は話す。

同社は米国カリフォルニア州サンノゼに本社を構える半導体設計・製造会社で、売上高は25億ドル(約2800億円)。特に民生用のIoT Wi-Fi/BluetoothやUSBコントローラーなどに強みを持つ。ここ数年は車載事業にも力を入れており、その売上高も急速に拡大しており、現在自動車関連の売上高は全体の36%と同社にとって最大のものとなっている。

特にCASEの中でもコネクティビティと自動運転に欠かせないコンピューティングにフォーカスしてビジネスを展開している。しかも、その製品シェアは高く、ナンバーワンのものがいくつもある。

例えば、ADAS(先進運転システム)で重要なNORフラッシュメモリーについてはシェア68%、HMI(ヒューマンマシンインターフェース)のタッチMCU(マイクロコントローラー)は46%、Wi-Fiなどの無線ソリューションは34%という具合だ。「無線ソリューションについては2年後にシェア50%にいく」(担当者)そうだ。

楠本氏によれば、同社の製品は組み込み機器として低電力で、安全性、信頼性が高く、高速な読み出しが可能だという。そのため、デンソーが同社のMCUとフラッシュメモリーを採用し、それをトヨタ自動車の新型『カムリ』のインスツルメントクラスターに搭載したほどだ。

今後も同社は自動車メーカーや部品メーカーと協業し、高級モデルから大衆車までを対象に、ADASをはじめ、3Dグラフィックディスプレイ、無線接続ソリューション、フル機能タッチスクリーン、高機能ボディ制御など、最先端車載システムの開発に取り組んでいくという。

CASE時代が本格化しようとしている現在、サイプレスの存在感はこれからさらに高まっていきそうだ。

《山田清志》

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