JR北海道は5月15日、北海道新幹線新函館北斗~札幌間約212kmの高速化を5月13日に国土交通省へ要請したことを明らかにした。
現在、北海道新幹線は、一部の列車を除いて東北新幹線と直通運転を行なっているが、盛岡~新函館北斗間は整備新幹線区間であるため、法令により最高速度が260km/hに制限されている。
しかし、2030年度末の開業に向けて工事が進められている新函館北斗~札幌間の開業に向けては、現行の最高速度では東京~札幌間の到達時間が5時間を超えることが見込まれるため、航空機との対抗上、整備新幹線区間でも260km/h以上の高速化は必須となる。すでにJR東日本では、そのことを睨んだ360km/h運転可能な試作車E956形「ALFA-X」が落成しているほか、盛岡~新青森間の最高速度を320km/hとする方針が固められている。
JR北海道でも新函館北斗~札幌間での最高320km/hを目指すことになり、トンネル区間の約170kmでは約30か所のトンネル坑口に設置される緩衝工を延長。トンネル区間以外の約42kmについては、約30km部分で防音壁を嵩上げし、それに伴なう高架橋の強度を上げる工事が必要としている。
要する工費は約120億円と見込まれているが、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が主体となって進められている建設工事との差額はJR北海道が負担するとしている。
この320km/h化が実現すれば、北海道新幹線は当初の見込みより5分程度の短縮が図られることになり、JR北海道では「今後、建設主体である鉄道・運輸機構と時速320km化の実施に向けて調整を行ってまいります」としている。