マツダのプレミアムカラー質感評価に自動車技術会賞 8年連続受賞

新型マツダ3(参考画像)
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マツダは5月22日、「第69回 自動車技術会賞」にて、プレミアムカラーの質感評価技術で「技術開発賞」を、自動車用高機能樹脂材料の研究で「技術貢献賞」を、広島大学との共同研究による車体後端形状の空力特性に関する論文で「論文賞」を各1件受賞したと発表した。

自動車技術会賞は、自動車工学および自動車技術の向上発展を奨励し、また次代を担う技術者・研究者を養成、支援することを目的として自動車技術会が創設。「学術貢献賞」、「技術貢献賞」、「浅原賞学術奨励賞」、「浅原賞技術功労賞」、「論文賞」、「技術開発賞」の各賞を表彰する。技術開発賞は、自動車技術の発展に役立つ新製品または新技術を開発した個人およびその共同開発者が対象で、マツダ社員が「技術開発賞」を受賞するのは8年連続となる。

技術開発賞の対象となった「プレミアムカラー実現に向けた、光学測定の進化による『匠』の目の質感評価技術の確立」では、マツダ 技術研究所の久保田寛氏、湊允哉氏、桂大詞氏、赤峰真明氏、中野さくら氏の5名が受賞した。

プレミアムカラーは、塗料配合や工程条件等で大きく品質が変化する上に、形状や見る環境によって複雑に意匠が変化する。そのため、これまでは、プレミアムカラーを安定して提供するには、材料や工程を知り尽くしたデザイナーやエンジニア(匠)が不可欠だった。

同技術は、プレミアムカラーの仕上がり性および発色性の質感評価を光学測定技術/評価解析技術の深化により「匠」の目を再現することで、複雑形状や様々な環境下で、質感を決定づける「仕上がり性」と「発色性」を高精度に定量化するもの。今後のプレミアムカラーの高意匠化に対し、品質、生産のロバスト性確保、環境規制対応、グローバル化には不可欠であり、貢献が大きい点が高く評価された。

技術貢献賞の対象となった「環境負荷低減につながる自動車用高機能樹脂材料技術の進歩発展への貢献」では、マツダ 技術研究所の松田祐之氏が受賞した。

樹脂材料は、低比重や優れた成形性等の特徴から自動車への適用が拡大している。受賞者は、これらの適用のネックだった耐衝撃性を向上させるため、ねらいの微細構造を実現できる材料成分や配合処方を見出し、樹脂材料の高性能化に大きく貢献した。また、業界初の廃車バンパーから新車バンパーへのリサイクル技術の開発、高耐熱・高強度なバイオプラスチックおよび世界初の植物由来100%の繊維からなる自動車用シート表皮開発等を実現させ、技術トレンドにも影響を与えるなど、業界の技術発展に多大な貢献をした。

論文賞の対象となった「車体後端形状が風向の時間変化に伴う過渡空力特性に与える影響」では、マツダ 技術研究所の清水圭吾氏、平岡武宜氏、農沢隆秀氏が広島大学の共同研究者2名とともに受賞した。

論文は、路上風などの外乱によって相対風向が時間的に変化した際の自動車の空気抵抗変化(過渡空力特性)について、模型風洞試験により調査したもの。

従来、連続的な風向変動に対する応答が議論されてきた空気抵抗に対する外乱影響について、横風帯突入時のような単発的風向変化に起因する流れの履歴影響に注目した調査を行い、空気抵抗変化を生む現象を従来と異なる形で分離し、これを解明。加えて、車体形状設計で重要な車体側面後端部の形状影響を論じ、同後端部が曲面の場合には風向変化後に長時間遅れて空気抵抗変化が生じうることを示した点や、空気抵抗変化の遅れの要因現象を従来の知見と関連付けて論じた点は、外乱影響を考慮した今後の車両空力開発における重要な知見であり、自動車工学的価値が高く評価された。

《纐纈敏也@DAYS》

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