トヨタ、モビリティカンパニーへの変化を表現…人とくるまのテクノロジー2019

トヨタ自動車(人とくるまのテクノロジー2019)
トヨタ自動車(人とくるまのテクノロジー2019)全 19 枚

パシフィコ横浜で開催中の「人とくるまのテクノロジー展2019」。すべての人に移動の自由を---をスローガンに掲げるトヨタ自動車は、自動車メーカーからモビリティカンパニーへの変化を通じて、どのような未来を目指しているかを表現するブース展示を行っていた。

ブースのセンターに置かれていたのは2017年の東京モーターショーでお披露目した『コンセプト-愛i』。その周辺に次世代モビリティの3要素である「電動化」「知能化」「情報化」に関する先端研究の成果の一部を展示していた。

初披露されたのは、ドライバーが居眠りをしたり、居眠りには至らずとも朦朧としていたりといった状態を検出する「覚醒度推定」技術だ。「調査してみると、目を開けたまま睡眠状態に陥ったりする人も結構いたりと、なかなか一筋縄ではいかない。しかし、レベル3以上の自動運転ではドライバーモニタリングは絶対に欠かせない技術。できるだけ早く実用化にこぎつけたい」(トヨタのエンジニア)

EV向けの次世代電池の本命のひとつとされ、世界で開発競争が激化しているソリッドステート(全固体)リチウムイオン電池の試作品もお目見え。ソリッドステート電池は構造体としては丈夫だが、イオンの移動速度自体は液体電解質に劣るため、陽極と陰極の間をできるだけ詰める必要がある。それを手軽に実現させるには、スピーディかつ安定した微細加工ができる生産技術の考案など、まだまだ乗り越えなければならない壁がいくつも存在するが、「社のパブリックコメントどおり、2025年までには投入したい」(同上)という。

トヨタ自動車(人とくるまのテクノロジー2019)トヨタ自動車(人とくるまのテクノロジー2019)

ほか、EV向けの非接触充電システム、200アンペアの大電流を許容する次世代SiCパワー半導体、水素プラットフォームのパネル展示、コネクティビティ技術を使った新サービスの提案など、展示内容はなかなかドラマチックだ。攻めの姿勢を強めるトヨタの今を体感するには格好の場であろう。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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