東急建設、トンネル全断面点検・診断システムの活用を開始

平沢トンネルにおける実証実験の様子
平沢トンネルにおける実証実験の様子全 2 枚

東急建設は6月5日、内閣府「SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」において開発した「トンネル全断面点検・診断システム」の活用を開始すると発表した。

同社は、2019年4月からインフラアセットマネジメント(IAM)事業の本格参入を視野に、土木事業本部内にIAMを推進する組織を新たに設立。同組織は、社会インフラの効率的維持管理技術の実用化を推進するもので、トンネル全断面点検・診断システムの活用開始は、その第一弾。

高度成長期に建設された橋梁やトンネルなどは高齢化が進み、2033年には全国に約1万本ある道路トンネルの約半数が、建設から50年以上経過すると試算されている。同社では、今後懸念される重大な事故リスクの顕在化や、維持修繕費の増大、熟練技術者の減少に対応する新たなインフラ維持管理技術として、これまで人力に頼っていたひび割れ調査や打音検査を、ロボット技術によって自動で行う「トンネル全断面点検・診断システム」を開発した。

2018年10月には、システムの実用化検討を目的に、千葉県南房総市が管理する平沢トンネル(1983年竣工、延長130m)において、5年に1度実施されるトンネル定期点検に併せて実証実験を実施。実際の車両交通のもとでシステムを稼働させた結果、交通への影響度が小さいことを確認した。

SIPでPD(プログラムディレクター)を務めた横浜国立大学の藤野陽三上席特別教授は、「各方面を説得して車を通行させながら実証実験を実施できたことには驚嘆した。画像、打音の処理も一流で、SIPインフラの中でも期待できる成果の一つ。社会実装が実現できれば PDとしてもとても嬉しい」 と評価。東急建設も期待に応えるべく、今後、調査コンサルタント会社との技術提携も含めたインフラ点検の新技術の運用体制構築や、自社施工物件での運用を軸に、実用化を目指す。

《丹羽圭@DAYS》

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