ゴードン・マレー、新型スーパーカー開発へ…980kgの軽量ボディに650馬力

ゴードン・マレー T.50
ゴードン・マレー T.50全 5 枚

デザイナーのゴードン・マレー氏が率いるゴードン・マレー・デザインは6月5日、ゴードン・マレー・オートモーティブの第1号車となる新型スーパーカー、『T.50』(GORDON MURRAY T.50)の開発計画を発表した。

ゴードン・マレー氏は、1992年に発表されたマクラーレン『F1』のデザインを担当したことで知られる。同車は、F1のマクラーレンと同じグループ会社、英国のマクラーレンオートモーティブが、F1参戦から得たノウハウを導入して開発したスーパーカーだった。

マクラーレンF1は、BMW製の6.1リットルV型12気筒ガソリンエンジン(最大出力627ps)をミッドシップに搭載。カーボンやアルミをふんだんに使用したボディは、わずか1140kgという軽量さで、最高速は391km/hと、まさに「ロードゴーイングF1」と呼ぶにふさわしい性能を誇った。

T.50はポルシェ911よりも小さい2ドアのグランドツアラースーパーカー

上から、ブラバムBT46B(1978年)、マクラーレンF1(1992年)、ゴードン・マレー T.50上から、ブラバムBT46B(1978年)、マクラーレンF1(1992年)、ゴードン・マレー T.50

今回、開発計画が公表されたT.50は、ゴードン・マレー・オートモーティブの第1号車となる新型スーパーカーだ。車名の「50」とは、ゴードン・マレー氏の自動車デザイン、エンジニアリング、モータースポーツにおけるキャリアが50周年を迎えたことを意味している。

T.50のボディサイズは全長4380mm、全幅1850mmだ。ポルシェ『911』よりも小さい2ドアのグランドツアラースーパーカーになる。マクラーレF1同様、運転席と、そのやや後方に2座席を設置する3シートレイアウトを採用する。

ゴードン・マレー氏ゴードン・マレー氏

車重は980kgと軽量。伝説のF1マシン「ファンカー」のアイデアも導入

T.50には、独自設計のカーボンファイバー製モノコックを採用する。ボディパネルもカーボンファイバー製だ。ブレーキもカーボンセラミックとした。すべての部品の重量を最小限に抑えることに重点を置いた軽量化戦略により、車両重量は1トンを下回り、980kgに抑えられる。ゴードン・マレー・デザインによると、他のスーパーカーよりも、圧倒的に軽量という。

マクラーレンF1(参考画像)マクラーレンF1(参考画像)

T.50では、最も先進的なエアロダイナミクス性能を追求する。そのひとつの例が、車体後部に装着される直径400mmの「ファン」だ。これは、ゴードン・マレー氏がかつて設計したF1マシン、ブラバム「BT46B」(通称:ファンカー)のアイデア。大型のファンを回転させることにより、フロア下の空気を強制的に後方へ吸い出し、強力なダウンフォースを生み出した。1978年のF1スウェーデンGPに初投入されたブラバムBT46Bは、ニキ・ラウダが操り、いきなりの優勝を成し遂げた。しかし、ブラバムBT46Bは、この優勝限りでF1参戦を禁じられ、伝説のF1マシンの1台となった。

ミッドシップに自然吸気の4.0リットルV12搭載。最大出力は650hp

マクラーレンF1(参考画像)マクラーレンF1(参考画像)

ミッドシップに搭載されるのは、コスワースと共同開発される排気量4.0リットル(3980cc)のV型12気筒ガソリン自然吸気エンジンだ。最大出力は650hp、最大トルクは45.9kgmを引き出す。このV12は、1万2100rpmまで回る高回転域志向のエンジンとなる。トランスミッションは英国のXtrac製の6速MTを組み合わせる。シフトは「Hパターン」。多くのスーパーカーが採用するデュアルクラッチは、あえて採用していないという。

T.50は、税抜きで200万ポンド(約2億7500万円)の価格で、2022年初頭から限定100台の納車を開始する計画だ。生産は英国で行い、パワートレイン、ボディ、シャシーなどの主要部品も英国製になる、としている。

《森脇稔》

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