ルノーから日産自動車に、日産自動車の株主総会で予定されている日産の新ガバナンス体制に関する議案決議について、ルノーの棄権を示唆する書簡が届いていた。日産自動車が6月10日、明らかにした。
日産は、当時ルノー会長でもあった元会長らによる重大な経営者不正の発覚を踏まえ、役員報酬や役員人事を社外取締役などで構成する指名委員会等設置会社。それに伴い、定款に指名委員会、監査委員会、報酬委員会の新設するための定款変更を6月25日開催の定時株主総会で議案として提出する運びとなっていた。
しかし、指名委員会等設置会社移行のための定款変更に関する議案決議にて、委員会メンバーの選任にあたり、ルノーの意向が十分に反映されていないことを理由として、ルノーが棄権する意向との報道が一部メディアで流れている。ルノーは日産の株式を43%保有。議案の承認には2/3の承認が必要となるため、ルノーが議案決議を棄権すると、新ガバナンス体制への移行は頓挫することとなる。
指名委員会等設置会社への移行については、ルノー指名による代表者も加わった取締役会にて全会一致で決議している。日産は、今回のルノーの行動について、取締役全員が賛同していたにもかかわらず、ルノーからこのような意向が示されたことは驚きであり、コーポレートガバナンス強化の動きに完全に逆行するものであり、誠に遺憾だとコメントしている。