メルセデスAMG、新2.0ターボは421馬力…量産4気筒で世界最強

メルセデスAMGの新「45」シリーズに搭載される見通し

「M139型」は排気量1991cc。新設計のツインスクロールターボチャージャーを採用

2種類のチューニングが存在。高出力版は最大出力421hp、最大トルク51kgm

メルセデスAMGの「M139型」新2.0ターボ
メルセデスAMGの「M139型」新2.0ターボ全 10 枚

メルセデスベンツ(Mercedes-Benz)の高性能車部門、メルセデスAMGは6月7日、新開発の2.0リットルターボエンジンを発表した。量産車向けの4気筒エンジンとしては、世界で最もパワフルという。

メルセデスAMGの新「45」シリーズに搭載される見通し

この新エンジンは、近い将来発表予定のメルセデスAMGの新「45」シリーズに搭載される見通し。メルセデスAMGはすでに、新たなシリーズとして「35」を発表している。35シリーズのパワートレインは「M260型」と呼ばれ、直噴2.0リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンを、AMGがチューニングしたユニット。最大出力306hp/5800~6100rpm、最大トルク40.8kgm/3000~4000rpmを獲得する。

トランスミッションは7速デュアルクラッチの「AMGスピードシフトDCT7G」で、駆動方式は4WDの「4MATIC」のAMGパフォーマンス仕様となる。前後の駆動トルク配分はFFを基本に、走行状況に応じて50対50の範囲まで変化する。新型『Aクラス』ベースのメルセデスAMG『A35 4MATIC』の場合、0~100km/h加速4.7秒、最高速250km/h(リミッター作動)のパフォーマンスを実現した。

「M139型」は排気量1991cc。新設計のツインスクロールターボチャージャーを採用

これに対して、今回発表された新開発の直噴2.0リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンは、「M139型」と呼ばれる。排気量は1991cc。新設計のツインスクロールターボチャージャーは、低い回転域での最適なレスポンスと高回転域での高いパワー特性を兼ね備えている。

これに加えて、タービンハウジングを、並行に配された2つの流路に分割し、排気流を別々にタービンに供給することを可能にした。その結果、低いエンジン回転数でも高いトルクが得られ、非常に優れたレスポンスを実現しているという。

また、メルセデスAMG『GT』の4ドアクーペの4.0リットルV型8気筒ツインターボエンジン同様、コンプレッサーとタービンのシャフトに、メルセデスAMGの4気筒ターボとして初めて、ローラーベアリング(ころ軸受)を採用した。ローラーベアリングは、ターボチャージャー内の機械的摩擦を最小限に抑える効果を発揮する。これにより、ターボチャージャーはよりスピーディなレスポンスを可能にし、より速く16万9000rpmの最高回転数に到達するという。

M139型では、ターボチャージャーはエンジンとフロントのバルクヘッドの中間にレイアウトされた。35シリーズのM260型と比較すると、シリンダーヘッドの向きは180度異なる。メルセデスAMGによると、低いボンネットデザインに配慮したためという。

ターボチャージャーの冷却には、油と水に加えて、新鮮な空気が使用される。エアディフレクターとして設計されたエンジンカバーとボンネットの下にあるダクトを介して、ラジエータグリルからの風がターボチャージャーに当たるようデザインされた。

2種類のチューニングが存在。高出力版は最大出力421hp、最大トルク51kgm

これらの新技術の導入により、M139型直噴2.0リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンは、最大出力387hp/6500rpm、最大トルク48.9kgm/4750~5000rpmを発生する。

さらなるパフォーマンスを求める顧客には、「S」バージョンが設定される。ターボのブースト圧は、1.9から2.1に引き上げられた。これにより、M139型直噴2.0リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンは、最大出力421hp/6750rpm、最大トルク51kgm/5000~5250rpmを獲得する。標準バージョンに対して、パワーは34hp、トルクは2.1kgmの上乗せとなる。

また、現行45シリーズの「M133型」直噴2.0リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンは、最大出力が381hp/6000rpm、最大トルクが48.4kgm/2250~5000rpm。新開発のM139型では、旧エンジンを40hp、2.6kgm上回るスペックを達成している。メルセデスAMGによると、421hpのパワーは量産車向けの4気筒エンジンとしては、世界で最もパワフルという。

《森脇稔》

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