国からの支援だけで路線維持は困難…鈴木北海道知事がJR北海道支援に約2億円の補正予算

国からの支援は2020年度まで。それ以降の継続については地域の利用促進への取組みを考慮した上での法改正を待たねばならず、北海道としては少額ながら支援する方向へ舵を切ろうとしている。写真は維持困難線区のひとつに挙げられている留萌本線深川~留萌間の列車。
国からの支援は2020年度まで。それ以降の継続については地域の利用促進への取組みを考慮した上での法改正を待たねばならず、北海道としては少額ながら支援する方向へ舵を切ろうとしている。写真は維持困難線区のひとつに挙げられている留萌本線深川~留萌間の列車。全 6 枚

鈴木直道北海道知事は6月14日に開催された定例会見で、2019年度の補正予算案(総額2513億円)の概要を明らかにし、JR北海道の維持困難線区に対する支援姿勢を示した。

今回発表された補正予算案は、6月20日から開催される北海道議会の第2回定例会へ提出される運びとなっているが、JR北海道を支援する「持続的な鉄道網の確立に向けた利用促進等の推進」として2億0800万円が計上されている。

このうち観光列車の運行に必要な車両整備や車内WiFiの整備、維持困難線区の利用促進に必要な設備投資など「緊急的かつ臨時的な支援」に対し2億円、北海道や北海道市長会・町村会などから構成される北海道鉄道活性化協議会が行なう「全道的な利用促進」の取組みなどへ800万円を充てている。

これについて「維持困難8線区の赤字額が120億~130億円と言われているのに、少ない金額になっている」という指摘を受けた鈴木知事は、JR北海道の経営自立は国が中心的な役割を果たす必要があるとしながらも、「これまでどおりJRの取り組みや国の支援だけでは道内の持続的な鉄道網を確立することは困難であると認識している」と述べた。

そのうえで、地域も可能な限りの協力や支援を行なっていく必要性があるとして、今回の補正予算案について「鉄道の利用促進に資するハード・ソフト両面での取り組みについて予算を提案した」と述べ、今後も支援についての協議を継続的に進めていく重要性に理解を示した。

また、2020年度限りとされている国からの支援については、その継続に法改正が必要となるが、これに対しては「JRが沿線自治体の皆さまと一体となって実施する新たな観光列車の運行に必要な車両の整備や、駅の利便性向上に資する設備投資など、維持困難線区における定時性や利便性、快適性の向上に向けた支援を実施してまいりたいと考えております」と述べ、JR北海道と各線区の沿線自治体、道と沿線自治体が一体となって利用促進に取り組んだうえで、改正へ向けた実績づくりを進めることが重要であることを強調。

「まずしっかり道としての役割、また、沿線自治体の皆さんと共に進めていくこととして極めて重要なことであると思っています」と述べている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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