ポルシェ、718 スパイダー と 718 ケイマン GT4 発表…6気筒ボクサーエンジンが復活

420psで300km/hオーバー

専用のエアロパーツを開発

サーキットに対応する足回り

ポルシェ 718 スパイダー
ポルシェ 718 スパイダー全 11 枚

ポルシェは6月18日、『718スパイダー』(Porsche 718 Spyder)と『718ケイマンGT4』(Porsche 718 Cayman GT4)を欧州で発表した。

ポルシェは2015年春、『ボクスター スパイダー』を発表した。軽量構造のソフトトップは、電動ではなく部分的に手動で開閉する仕組み。前後バンパーは、『ケイマンGT4』と共通デザインとした。ミッドシップに搭載されるのは、3.8リットル水平対向6気筒ガソリンエンジンで、最大出力375ps。トランスミッションは、6速MTのみ。ボクスター スパイダーは、0~100km/h加速4.5秒、最高速290km/hのパフォーマンスを備えていた。

このボクスター スパイダーが、最新の『718ボクスター』に設定された。同時に、『718ケイマン』ベースの718ケイマンGT4も登場している。

420psで300km/hオーバー

現行の718ボクスター、718ケイマンは4気筒エンジンのみを搭載する。今回発表された718スパイダーと718ケイマンGT4では、6気筒ボクサーエンジンが復活している。

ミッドシップに搭載されるのは、新開発の4.0リットル水平対向6気筒ガソリン自然吸気エンジンだ。新型『911カレラ』シリーズ向けをベースに開発されたこのエンジンは、最大出力420ps/7600rpmを獲得する。旧ボクスター スパイダー、旧ケイマンGT4に対して、45psの強化にあたる。最大トルクは42.8kgmで、5000~6800 rpmの範囲で引き出される。このエンジンを6速MTと組み合わせた。動力性能は0~100km/h加速が4.4秒。最高速は、718スパイダーが301km/h、718ケイマンGT4が304km/hと、300km/hオーバーを可能にする。その一方、低負荷走行時には、シリンダーの一部を休止し、燃費性能を追求している。

専用のエアロパーツを開発

718スパイダーと718ケイマンGT4では、専用のエアロパーツを開発し、最大50%増のダウンフォースを獲得する。フロントは、大型フロントリップスポイラーとエアカーテンを装備した。エアカーテンは、フロントタイヤ周辺の空気の流れを最適化する。

リアは、新設計のシングルチャンバーアーチサイレンサーにより、空力性能の新しいディフューザーの装着が可能になった。この新ディフューザーが、718ケイマンGT4の場合、リアのダウンフォースの30%を引き出す。718ケイマンGT4の固定式の大型リアウイングは、旧モデル比で20%多いダウンフォースを獲得。ポルシェによると、200km/hで走行時、12kgの追加ダウンフォースに相当するという。718スパイダーには、120km/hで自動的にせり上がるリアスポイラーを装備している。

718 スパイダーには、軽量のコンバーチブルトップを採用する。このコンバーチブルトップは、『550スパイダー』や『718 RS 60スパイダー』など、ポルシェのロードスターの歴史を受け継ぐ。トップは数ステップでトランクリッドの下に収納できる。

サーキットに対応する足回り

足回りには、軽量スプリングストラットのフロントとリアアクスルに、レーシング技術を導入する。シャーシとの接合部分には、ボールジョイントを使用。車高が30 mm低くなる「ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネジメント」が重心を下げ、サーキットでパフォーマスを発揮するチューニングを施した。「ポルシェ・スタビリティ・マネジメント(PSM)」は、オプションで無効にすることが可能。メカニカルリアディファレンシャルロックを備えた「ポルシェ・トルク・ベクタリング(PTV)」は、縦方向と横方向のダイナミクスやコーナリング性能を引き上げる。718ケイマンGT4には、「クラブスポーツパッケージ」をオプション設定。ロールバー、消火器、6点式シートベルトがセットされる。

高性能ブレーキシステムには、大型のアルミ製ブレーキキャリパーを採用する。オプションで、カーボンセラミックの「PCCB」が選択できる。 718 スパイダーには、ポルシェ独自のウルトラハイパフォーマンス(UHP)タイヤを設定している。

《森脇稔》

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