【カンナム ライカー 試乗】オープンカーとは違う爽快さ、注目度はスーパーカー並み…丸山誠

カンナム・ライカー(Can-Am Ryker)
カンナム・ライカー(Can-Am Ryker)全 8 枚
初夏の風をきってオートバイに乗ってみたいと考えている人は多いだろう。オープンカーでは味わえないオートバイならではの爽快さ楽しみたいと。でも二輪免許がないとあきらめている人もいるはずだ。

最近はリターンライダーと呼ばれる中高年が再びオートバイ乗ることが流行している。大型二輪免許所有者なら大型バイクに乗れるわけが、現実として体力に不安があるという人もいるだろう。転倒した重量約200kgものオートバイを起こすことができない、ということになりかねない。さらに二輪免許がないと叶わぬ夢ということになってしまう。

◆自動車AT免許で乗れる大型バイク

しかし二輪免許がなくても乗れる面白いオートバイが発売された。BRP製の『カンナム ライカー』だ。フロント2輪、リア1輪という3輪オートバイで普通車の運転免許があれば乗ることができる。車両運送法では二輪扱いだが、道交法では四輪扱いのため運転できるというわけ。しかもライカーはAT限定免許でも乗れるのが特徴。3輪オートバイのトライクなどはマニュアル変速のタイプが多いためAT限定では運転できないが、ライカーはATのため問題なしだ。

ユニークなライカーを製造するBPR社を知らないという人も多いだろうが、スノーモービルやウォータークラフトなどを製造する有名企業。ライカーのラインアップは3タイプ。直列2気筒600ccエンジン(47ps)を積む『ライカー600』と直列3気筒900cc(77ps)の『ライカー900』、同エンジンのラフロード用が「ラリーエディション」。全グレードがAT仕様だ。

◆おそろしくレスポンスがいい

試乗したのはライカー900。何と普通免許で排気量900ccの大排気量の大型オートバイに乗ることができる。これだけでもワクワクしてしまう。アップライトのポジションのシートにまたがりスタート前に簡単な操作方法を学ぶ。

バータイプのハンドルはオートバイそのもので、右手でスロットルをひねると加速するのも同じ。だが、ブレーキは右足でのフットブレーキタイプ。しかも前後が一緒に作動するコンビタイプだ。発進とブレーキの練習をすると、スロットルを急に開けるとかなり勢いよく飛び出す。CVTのミッションのためクラッチ操作はないが、約1700回転から動き出すためスタートではゆっくりとしたスロットル操作が必要だ。

公道に出てスロットルを大きくひねるとかなりの加速感。風を全身に受けていることも加速感を倍増させているポイント。クルマのようなシートバックがないためハンドをしっかり持っていないと、体が後ろに持っていかれそうなくらいレスポンスがいい。

◆とにかく痛快で爽快

風を切って走る爽快さはオープンカーとは別物で、すべての雰囲気がオートバイに近い。違うのは3輪のため停止しても倒れないことで、これはとても安心感がある。信号待ちでつい足が出そうになるが、ステップに置いたままでいいのでとてもラクだ。

カーブではちょっとしたコツが必要で、オートバイのように傾けてコーナリングできないため、ハンドルの操作がメインとなる。バータイプのため押して曲がろうとすると、体が遠心力で外に持っていかれそうになるので注意が必要だ。押すのではなくハンドルを引いて曲がるというのがコツ。クルマと比べるとホイールベースとトレッドが短いため、路面の影響を受けやすいことも頭に入れておく必要がありそうだ。

それにしても痛快で爽快な乗り物だ。風を切って走るのは最高に気持ちがいい。オープンカーも楽しいが、それとは違った魅力を満載しているし、街なかを走れば注目度はスーパーカー並み。価格はライカー600なら約136万円と、オープンカーよりかなり安いプライスも魅力的だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
エクステリア:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

丸山 誠|モータージャーナリスト
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブで新車試乗記事、新車解説記事などを執筆。先進安全装備や環境技術、キャンピングカー、キャンピングトレーラーなどにも詳しい。

《丸山 誠》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「本当に世に出るとは」車重わずか1トンで800馬力V12、「超アナログ」スーパーカー…新型車記事ランキング 8月
  2. さらなる人馬一体へ!NDロードスター用「リビルトエンジン」発売、価格は65万7800円
  3. マツダの新型SUV『EZ-60』すでに4万台の予約殺到! SNSでは「マツダ復権か??」「日本でも売るべき」など話題に
  4. ホンダ『オデッセイ』専用コンソールボックス「オデュッセイヤ」発売、高級感と機能性のプレミアム仕様
  5. BMW、ケージ構造でヘルメット不要の電動スクーター『ビジョンCE』発表へ…IAAモビリティ2025
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る