【ボルボ XC60 T8 新型試乗】最上級グレードにふさわしい走りのPHEV…島崎七生人

プラグインハイブリッドが登場

最上級グレードにふさわしい、ゆったりとした走り

安全機能もさらに濃く

ボルボ XC60 T8 TWIN ENGINE AWD INSCRIPTION
ボルボ XC60 T8 TWIN ENGINE AWD INSCRIPTION全 10 枚

プラグインハイブリッドが登場

“ダイナミック・スウェディッシュSUV”が謳い文句の『XC60』。実はグローバル市場でもっとも販売台数の多いボルボ車であり、日本でも、直近で登録が本格化した『XC40』に台数上は追い越されはしたものの、XCレンジ3車の中では 初代の登場以来、高人気のモデルである。

今回の試乗車は「T8 TWIN ENGINE AWD Inscription」。全車AWDの『XC60』シリーズのトップに位置付けられるグレードだが、注目されるのはエンジンとモーターの2つの動力源をもつプラグインハイブリッドだということ。

ボルボ XC60 T8 TWIN ENGINE AWD INSCRIPTIONボルボ XC60 T8 TWIN ENGINE AWD INSCRIPTION
エンジン自体、2リットル+インタークーラー付きターボ+スーパーチャージャーの“全部付き”の仕様で、318ps/40.8kgmを発生し前輪を駆動。これに後輪に駆動力を伝えるモーター(とバッテリー)が備わる。走行モードは完全EV走行の“Pure”のほかに通常走行の“Hybrid”“AWD”、さらに“Off Road”とAWDで最大限の性能を発揮する“Power”、それと好みの設定をしておける“Individual”がある。

パワートレーンのみならず、電子制御式4輪エアサス(アクティブパフォーマンスシャシー)も標準装備し、こちらも選んだ走行モードに応じて、特性(と車高)が切り替わる仕組みだ。

最上級グレードにふさわしい、ゆったりとした走り

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走らせてみると、なるほど最上級グレードにふさわしい、ゆったりとした走りっぷりが印象に残った。意外だったのはもっともスポーティな(はずの)“Power”でも、このクルマの場合、いたずらにハード方向に振られ過ぎないということ。確かにステアリングフィールは引き締まるが、それはゆったりとした動きの無駄を削いだ……そんな感じで、ワインディングでもむしろクルマの挙動がスッキリする。

また乗り心地も決してタイト過ぎず、車重(2180kg)を見方につけてしっとりとしなやかなものだ。他方でEV走行は実用的(EV走行換算距離45.4km)で、スムースで十分な加速、Hybrid走行も理屈っぽくなく自然体で走らせていられ、しっかりと回生ブレーキが効かせられるBポジションも使い勝手がいい。

ちなみに現行モデル(19年モデル)のカタログに記載のJC08モード燃費は15.7km/リットルとあり、試乗時、メーター内には12.0km/リットルの平均値の表示を確認。適宜、発電を実行させながらの試乗だったから、システムの特性を上手に駆使すれば、もちろんよりガソリンの使用量を少なくしてのドライブが可能なはずだ。

安全機能もさらに濃く

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オレフォス社製クリスタルシフトノブが備わるインテリアは、何とも優雅で上品な設え。控えめで、長時間過ごしても目に余るところがないデザインも居心地のよさに貢献している。安全支援機能の“シティ・セーフティ(衝突回避・軽減フルオートブレーキシステム)”は、対向車対応機能が追加されるなど充実が図られ、快適なだけでなく、安心・安全のための機能もより中身の濃いものとなっている。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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