【プジョー 508 新型試乗】ウソ偽りのない燃費のピュアテック…中村孝仁

カタログ燃費にウソ偽りなし?

走りに軽さを感じるピュアテック

保守的なイメージからの脱却

プジョー 508 新型(GTライン)
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カタログ燃費にウソ偽りなし?

プジョー『508』の諸元表を見ていて驚いたことがある。それは燃費である。今、燃費表示は徐々にWLTCモード燃費に切り替わる過渡期で、すべてが切り替わるのは2020年9月だ。

でもって、プジョー『508 GTライン』(1.6リットル・ガソリンターボ)の燃費はJC08モードで14.7km/リットルだったものが、WLTCで14.1km/リットルへと下がった。たった4%のダウンである。日本車の場合など、少なくても1割、多い場合だと2割以上下がる。某巨大メーカーのCセグメントハッチバック車(名前は敢えて言わない)は、26%も下がった。

残念な事に一番比べてみたい輸入車のライバルは押しなべてまだJC08表記のみで、調べた限りではBMW『3シリーズ』がおよそ13.8%ダウンであった。でもって、実際プジョー508を1週間ほど使った結果の燃費は、13km台を確保していたのである。つまり、表示燃費と実燃費が極めて近い。多くのユーザーは表示燃費を実走行で引き出すことが出来ず、その燃費の乖離にビックリされることが多いと思う。まあ、プジョーに関していえば「ウソ偽りなし」といったところだ。

走りに軽さを感じるピュアテック

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ディーゼルの「508 GT BlueHDi」と比べてこのガソリンエンジンがどうかと言うと、先ずハスキーな音色ではないし、何よりも俊敏さを感じる。勿論相手は400Nmというとてつもないトルクの持ち主だから、パーシャル領域からガツンと踏んだ時の加速感では全然足下に及ばないのだが、全域でスムーズで軽快と表すれば、少しはイメージできるかもしれない。

そもそもこのピュアテックというエンジン、BMWとのコラボレーションで誕生したもので、コードネームはプリンスエンジンと呼ばれる。ヘッドにはBMWの技術であるVANOSが仕込まれたもの。日本市場はつい最近プジョー『3008』と『5008』にも同じエンジンが搭載された。誕生は古く、最初のエンジンは2006年から使われている。プジョー側のピュアテックという呼び名は、先に3気筒エンジンが登場していたものだから、ついそちらが思い浮かんでしまうが、しっかり4気筒1.6リットルも存在し、ようやく日本市場にも投入されたというわけである。

実はこのピュアテックの方が、走り自体はディーゼルよりも軽快でハンドリングにも優れている。果たしてフロント軸荷重にどのくらいの差があるのかは不明だが、間違いなくディーゼルの方が重いはずで、そのディーゼルからガソリンエンジンに乗り換えた瞬間に、「軽っ」という思いが口を突いて出るほどだ。だから、ワインディングに入って少し右足に力を込めた時のような場合、まるで別物とは言わないが、相当にこちらの方がアスリート的な体脂肪の少なさを感じてしまう。

保守的なイメージからの脱却

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また、前述したようにとにかく静かである。よって、あまり馴染みのないフォーカルのオーディオを愉しむにしてもこちらの方が向いている。

外観や内装からガソリンかディーゼルかを見分けることはまず不可能。精々タコメーターの目盛り程度の差でしかない。

アイシン製8速ATもこのスムーズな走りに大きく貢献していると思う。かつてトランスミッションで散々苦しんだPSA。今ではアイシンから6速ATのライセンスを購入するほどで、ことトランスミッションに関してはかなり積極的に新しいものを導入する姿勢がうかがえる。

セダンと言うにはリアに巨大な開口部を持つから正式にそうは呼べないのだろうが、この美しいスタイリングとその巨大開口部による高い実用性、そして嘘偽りのないピュアテックの燃費性能やスムーズで軽快な走りは、元々保守的なイメージの強かったプジョーというブランドを大きく方向転換させるに十分なインパクトを持っている。

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■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来42年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める

《中村 孝仁》

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