コネクテッドカー世界市場、2035年に1億台超を予測 富士経済

コネクテッドカー(乗用車)世界市場の推移(予測)
コネクテッドカー(乗用車)世界市場の推移(予測)全 1 枚

富士経済はコネクテッドカーの世界市場を調査し、結果を「コネクテッドカー関連市場の現状とテレマティクス戦略2019」にまとめた。

調査では、コネクテッドカーのエリア別市場に加えて、コネクティビティサービス8品目、コネクティビティ機器・システム9品目、コネクティビティデバイス3品目、自動運転関連機器・技術5品目、シェアリング関連ビジネス3品目の現状を調査し、将来を予想。主要自動車メーカーやサプライヤーのコネクテッドカー戦略についても整理した。

乗用車の調査結果によるとIVI(車載インフォテインメントシステム)やカーナビゲーションなどの車載情報端末を搭載したコネクテッドカー市場は拡大し、2020年に3435万台、2035年には1億0250万台へと急激に拡大するとみられる。新車販売台数に占めるコネクテッドカーの割合は2018年に3割を超えるが、2022年には5割弱、2035年には9割近くを占めると予想する。

市場拡大をけん引するのはIVI搭載のコネクテッドカー。IVIは車載通信機を用いるエンベデッド型と、スマートフォンなどを使用して接続するモバイル連携型に別れるが、特に常時接続可能なエンベデッド型が大きく伸びる見通し。エンベデッド型はこれまで高級車などを中心に搭載されてきたが、今後、大衆車クラスへ広がる見込み。

エリア別では現状、北米や欧州が市場拡大をけん引している。これらの地域では自動車メーカーがテレマティクスに注力しており、今後もエンベデッド型IVIを軸に堅調に需要が伸びる見込み。

中国は、今後も新車販売台数の増加に比例して大幅な伸びが予想され、2022年には世界最大の需要地になる見込み。IVIやディスプレイオーディオをベースとするコネクテッドカーの需要が増える。IVIはモバイル連携型が大きく伸びると予想する。

日本は、通信型カーナビゲーションを中心に当面は伸びる見通し。しかし、長期的には新車販売台数が減少するため、コネクテッドカー市場は2020年代前半のピークアウトすると予想。

その他の国・地域では、韓国やオーストラリアなどでコネクテッドカー需要が増加している。今後は、中東や東南アジアなども伸びが見込まれる。これらのエリアでは、モバイル連携型IVIやディスプレイオーディオをベースとするコネクテッドカーの需要が増加する見通し。

商用車は2018年が897万台の見通しで、前年比30.6%伸びた。2035年には7550万台と2017年の11倍に拡大する見通し。

また、運転中の事故や車両トラブル、急病時などに衛星測位システムや通信ネットワークを利用して車両の位置情報などを救援機関に自動通報する「緊急通報システム市場」は、2018年の見込みが前年比24.5%増の1262億円だったのが2035年には3855億円と、2017年の3.8倍に拡大すると予測する。

主に北米と欧州が市場拡大をけん引しているが、日本や中国でも市場拡大が予想される。ロシアでは新車に緊急通報システムの導入が義務付けられており、堅調な需要が予想される。マレーシアやUAEなどでも2020年以降の導入が義務化されるとみられ市場拡大が見込まれる。

《レスポンス編集部》

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