【レッドブル・エアレース 第3戦】室屋、年間優勝争いから一歩後退

ハンガリーのバラトン湖の上でレースに臨んだ室屋のフライト
ハンガリーのバラトン湖の上でレースに臨んだ室屋のフライト全 6 枚

「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ」の第3戦が7月14日、ハンガリーのバラトン湖で開催された。2度目の年間王者を目指す室屋義秀は、決勝で最初の「ラウンド・オブ・14」で敗退。結果は12位、2 ポイント獲得にとどまった。

ハンガリー有数の観光地でもあるバラトン湖はエアレースにとって初めての開催。主催者のレッドブルによれば「レーストラックは、シンプルながら、風などのコンディションを考慮すると多くのオプションがあってライン取りを決めるのが難しいコース」とされる。今シーズン限りで終了が発表されたエアレースは、今大会を含めて残すところあと2回。今シーズンの室屋は初戦から2連勝と絶好調だ。

しかし、室屋にとって不運は予選から訪れた。室屋は予選の1本目のフライトで58秒846の好タイムを記録し、そのまま2本目も予選ポイントが獲得できる3位を目指して攻め込んだ。しかし、気合いが入り過ぎたのか、2本目は進入スピード超過、オーバーG、クロッシング・ザ・トラックリミットラインで計3秒のペナルティが加算されてしまう。これで1本目のタイムが予選でのタイムとなり、この時点では第3位。それでも、この時点では予選ポイントは1ポイントを獲得したはずだった。

ところが2本目を終えてから、1本目のレースでもクロッシング・ザ・トラックリミットラインがあったと判定され、1秒のペナルティが加算されてしまう。結果、予選でのポイントはゼロで終わってしまった。

翌日の決勝は気持ちを切り換えて「ラウンド・オブ・14」に臨んだ室屋。しかし、ここでも不運は続く。決勝当日の天気は風が徐々に強くなっていくとの予報。室屋はそれを想定してコース取りを決定していたが、レース直前に風がピタリと止んでしまう。この想定と違う事態がレースに不利となって働き、タイムは1分01秒016と伸び悩んでしまった。

この状況を上空で見ていた対戦相手のマット・ホールは、この日、誰も選んでいないコースを選択。その結果、ペナルティなくフライトを続け、室屋を上回るタイムへとつなげることに成功。そのまま順調に好タイムをマークし、今大会の優勝へと結びつけた。

レース後、室屋選手は「今日は結果が伴いませんでしたが、ワールドチャンピオンシップに王手がかかっているのは間違いないので、次の千葉に向けて準備を進めるしかないですね」とコメントした。最終戦は9月7日・8日の千葉市幕張海浜公園で行われる。

第3戦の上位結果と室屋の成績は以下の通り。

●ファイナル4
1位:マット・ホール(オーストラリア)58秒839 25ポイント
2位:ベン・マーフィー(イギリス) 58秒957(ペナルティ+1) 22ポイント
3位:ピート・マクロード(カナダ) 58秒966(ペナルティ+1) 20ポイント
4位:マルティン・ソンカ(チェコ) 1分02秒391(ペナルティ+3) 18ポイント

●ラウンド・オブ・14
12位:室屋義秀(日本) 1分01秒016 2ポイント

●Red Bull Air Race World Championship 2019 総合順位(上位5位まで)
1位:マルティン・ソンカ(チェコ) 65ポイント
2位:マット・ホール(オーストラリア) 61ポイント
3位:室屋義秀(日本) 55ポイント
4位:ベン・マーフィー(イギリス) 37ポイント
5位:マイケル・グーリアン(アメリカ) 37ポイント

《会田肇》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 洗車で「水シミZERO」、水道に取り付けるだけで純水を生成…サンコーが発売
  2. 【アウディ A5セダン 新型試乗】4ドアクーペ風にあえてしなかった見識に拍手…島崎七生人
  3. スズキ『アルトラパン』が10年目のビッグマイチェン! 開発者が語る「長く愛される理由」と、それでもデザインを大刷新したワケ
  4. 極限の軽量ホイール革命!レイズ ボルクレーシング『CE28N-plus SL』が示す究極の走行性能PR
  5. 台風や秋雨対策に、大型サイドミラー対応の超撥水ガラスコート「ゼロワイパー」発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る