【日産 スカイライン 新型】“手放し運転”が可能、プロパイロット2.0搭載---分岐や追い越しでは補助

新開発「プロパイロット2.0」は車両に搭載したセンサーと高精度3Dマップデータを使い、運転支援機能を大幅に拡充した
新開発「プロパイロット2.0」は車両に搭載したセンサーと高精度3Dマップデータを使い、運転支援機能を大幅に拡充した全 19 枚

2014年から発売してきた13代目『スカイライン』(V37型)が16日、ビッグマイナーチェンジを遂げた。その最大の目玉は最新の運転支援システム「プロパイロット2.0」の搭載だ。国産車で初めて「手放し運転」を可能にしたシステムの全貌について解説したい。

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国産車で初! 自動車専用道路上での手放し運転を可能に

日産はこのところ運転支援システム「プロパイロット」の搭載に積極的だ。プロパイロットには全車速追従型のインテリジェントクルーズコントロールと、走行時に車線の中央付近に車両を維持するステアリング制御を搭載されており、これによってドライバーの運転負担を軽減できる。今年に入ってからは軽自動車の新型『デイズ』にも搭載したことで大きな話題を呼んだ。

そんな中、スカイラインがビッグマイナーチェンジを果たすにあたって、それをさらに進化させた「プロパイロット2.0」を搭載したのである。最大の特徴は何と言ってもハンドルの「手放し運転」を可能としたこと。日産では「同一車線内ハンズオフ機能」と呼んでいる。

これまでの運転支援機能では、たとえ車線中央を維持する制御が働いても、ドライバーはハンドルを握っていることが大前提だった。手を離したまま一定時間を過ぎると機能自体が自動的にキャンセルされていた。それが一転、プロパイロット2.0では手放し運転が可能になったのである。

“手放し運転”と聞くと「自動運転が実現したのか?」と思いがちだが、実はそうではない。あくまで現行の法律の範囲内で可能となった、運転支援の技術をフル活用したということなのだ。これを可能とするにはいくつかの条件が課されている。

この機能を利用できるのは高速道路や自動車専用道路のみで、同一車線上を走行している時だけ。車線を変更しようとすればその時点で機能は自動キャンセルされる。さらにドライバーの視線は新たに搭載された赤外線カメラで監視されており、それによってドライバーが前方を注視していると判断されることが必要だ。

加えて、トンネル内に入った時や急カーブ、合流地点などの手前、対面通行といった状況下では手放し運転はできない。日産によれば、手放し運転中にその状況に遭遇した場合は、その都度、車両側から告知があってキャンセルされるのだという。つまり、手放し運転で走行できるようになったとはいえ、ドライバーが前方を注視して運転に責任を持つSAE自動化「レベル2」の運転支援であることに変わりはないのだ。

レーンチェンジや分岐点での車線移動でハンドル操作を支援

プロパイロット2.0がもたらすもう一つの大きな特徴が、カーナビゲーションで目的地を設定している時、分岐や車線変更、追い越しなどを行う際にハンドル操作を支援してくれる「ナビ連動ルート走行」機能の搭載だ。

これはこのモードで走行中、前方に、設定した速度よりも遅いクルマが走っていることをシステムが検知すると、追い越しが可能であることをドライバーに提案。ドライバーがハンドルに手を添えて承認スイッチを押すことで、システムが周囲の状況を確認して右へと車線移動を行う。そして、追い越しが完了して元の走行車線に戻れるとシステムが判断すると、再びドライバーにそれを告知してハンドル操舵が行われる。さらにこの機能では、分岐での支援を行なうことも可能(車線変更支援)となっている。

「ナビ連動ルート走行」機能の実現にあたって重要な役割を果たしているのが「3D高精度地図データ」の存在だ。これは地図メーカーであるゼンリンが自動運転技術を実現するために開発を進めてきたもので、対象となっているのは全国の高速道路と自動車専用道路の約2万6000km。

この地図はセンチメートル単位の精度まで追い込んでいるのが特徴で、どの車線にいるかはもちろん、道路施設の位置までも照らし合わせることで正確な位置情報が把握できるようになる。つまり、この地図上で把握した情報と車両側のセンサーで捉えた情報をリンクさせることで、高精度な制御を実現したというわけである。

これらを実現するために新型スカイラインに搭載されたセンサーは大幅な進化を遂げている。フロントガラス中央部には3眼のカメラ「トライカム」が見える。左から標準レンズ/広角レンズ/望遠レンズの3つで、これらを組み合わせることで従来にない広い範囲での検知を可能としている。それ以外にもカメラは前後左右に4つ。これらはオートパーキングアシストにも使われるが、走行中は車線認識を含む近距離での周辺情報を把握するのに使われる。

レーダーはフロント前方の遠距離用としてミリ波レーダーが使われ、車両の前後左右に周辺を360度にわたってセンシングするためのミリ波レーダーを4個搭載。そして周辺の障害物検知のために超音波ソナーが前後バンパー内に計12個が組み込まれている。

日産によれば、こうしたそれぞれの機能はすでに他の車種で採用されているものの、手放し運転を可能にしたこと、車線変更を提案するということ、この2つをセットにして市場導入をするのは世界初のことなのだという。

《会田肇》

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