在来線トンネルの位置を把握せず…「あわや大惨事」九州新幹線西九州ルートの工事ミス

トンネル内での惨事を免れたJR九州の特急『かもめ』。
トンネル内での惨事を免れたJR九州の特急『かもめ』。全 2 枚
石井啓一国土交通大臣は7月16日に行なわれた会見で、九州新幹線西九州ルートの工事ミスで発生した長崎本線トンネル内の列車支障事故について言及した。

この事故は、7月11日10時25分頃に発生。長崎本線浦上~現川(うつつがわ)間を走行中の特急『かもめ16号』が、同区間の長崎トンネル内で異音を検知して緊急停車したというもの。

当時、長崎本線と並行する九州新幹線西九州ルートの工事に関連して、渇水対策用井戸の試掘ボーリングが行なわれていたが、機材の一部が長崎トンネルの上部を貫通して『かもめ16号』に接触した。

工事を発注した建設主体の独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)では「一歩間違えば大事故につながる可能性もあった」として、現在、原因を調査しているという。

報道では、現場での確認が不十分だったこと、鉄道・運輸機構が長崎本線の詳細な位置をJR九州に対して確認せず、国土地理院の地形図を基に図面に記載していた可能性があったことが、原因として指摘されている。

基となった地形図そのものに誤りがあった可能性もあるとされており、事実であれば、二重のミスが大惨事を招くところだった。

これに関して石井大臣は、「ボーリング工事における発注図面でのトンネルの位置が、実際のトンネルの位置と異なっていたことや、現場で十分な確認が行われていなかったことなどが原因と考えられる」という報告を鉄道・運輸機構から受けていたことを明らかにし、原因の究明と再発防止策を講じることを指示。「慎重に現場確認を行うなど、引き続き、安全かつ確実な工事施工を求めてまいります」と述べた。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. メルセデスベンツ『GLC』新型、インテリア先行公開…史上最大39.1インチディスプレイ採用
  2. 「本当に世に出るとは」車重わずか1トンで800馬力V12、「超アナログ」スーパーカー…新型車記事ランキング 8月
  3. ダイビングで拾ったゴミとMITSUBISHIトライトンで見つけた新しい相棒関係PR
  4. マツダの新型SUV『EZ-60』すでに4万台の予約殺到! SNSでは「マツダ復権か??」「日本でも売るべき」など話題に
  5. ホンダ『フリード』がニューレトロに!? ダムドが専用ボディキットのデザインを先行公開 発売は2025年冬
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る