【メルセデスベンツ Aクラスディーゼル 新型試乗】極低回転のトルクだけで生活圏からロングドライブまで…木下隆之

メルセデスベンツ Aクラスディーゼル(A200d)
メルセデスベンツ Aクラスディーゼル(A200d)全 22 枚
これまで1.4リットルの小排気量ガソリンターボエンジンのみのラインナップで販売を展開してきたメルセデスベンツ『Aクラス』に、あらたにディーゼル仕様が加わることになった。

直列4気筒であり、排気量は2リットルもある。最高出力はガソリンに比較して14psアップに留まるが、最大トルクは200Nmから320Nmへと大幅に強化されている。走りに男気が鋭く立っているような気がした。



発進の瞬間にグイグイとトルクが溢れ出す。もともと極低回転域に強みを発揮するディーゼルであるうえに、ターボ特性を極低回転レスポンスをアジャストしている。慣れるまではハッとするほど急発進するのだ。

これなら、市街地をユルユルと走るのではなく、高速ドライブも苦はない。高速道路をはてなく走り抜けるのも都合がいい。わずかなアクセル開度でどこまでも走り続けるような気がする。

圧倒的な燃費性能も際立っている。東京都内を中心に、市街地と首都高を約半々に織り交ぜたコースを2時間ほど走ったところ、オンボードコンピューターの燃費計は「24.7km/h」を指していた。ハイブリッドモデル級に財布に優しい。

それもそのはずで、アイドリング+αでグイグイと加速するばかりか、100km/h巡航でも回転計の針は1300rpm付近から上がろうとしない。生活圏からロングドライブまで極低回転のトルクだけで事足りるのだからそれも道理なのだ。

 

ちなみに、Aクラスの販売比率は、女性が高い。契約書ベースで約25%が女性名義だというのだ。ただしそれは1.4リットルガソリンエンジンのみで展開していた時点でのデータである。さて、強力な走りのディーゼルエンジンがラインナップに加わったことで、その勢力図に変化が訪れるのか…。それもひとつの興味の対象である。

■5つ星評価
パッケージ:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

木下隆之|モータージャーナリスト
プロレーシングドライバーにして、大のクルマ好き。全日本GT選手権を始め、海外のレースでも大活躍。一方でカー・オブ・ザ・イヤー選考委員歴は長い。『ジェイズな奴ら』を上梓するなど、作家の肩書きも。

《滑川寛》

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